「出前」と聞くと、昼食や夕食のイメージが強いですが、中国ではスターバックスのコーヒーやコンビニの商品、果物まで気軽に持ってきてもらうことができ、非常に便利です。
一回当たりの注文金額を見ると、21~100元(350円~1600円程度)がボリュームゾーンとなっており、20元以下も25.5%もあります。これに、一回の注文につき、配達料金として平均5~6元(80円~100円程度)が加算されます。もちろんクーポンを使ったり、指定注文金額に達した場合は送料を無料にできますが、100円払ったらすぐ届けてくれるので気軽に利用できます。
では、実際にアーラマのアプリを利用してランチを頼んでみましょう。
アプリのトップページでは、レストランの食事だけでなく、デザートやドリンク、コンビニの商品や果物まで届けてくれるのがわかります。
たくさんのレパートリーの中から注文したい商品を選択します。一定の注文金額を超えると送料が割引になります。内容を確認し、Alipay(アリババグループの電子決済サービス)で支払いを済ませるとあっという間に注文完了です。画面には配達推定時刻が表示され、配達推定時刻を10分以上超えた場合、超えた時間に応じて料金が返金される仕組みになっています。
しかも、配達員の現在地はアプリ上で簡単に確認できます。
時間もたたないうちに商品が届きました。これでおしまいです。このように本当に手軽に食べたいものを出前できるため、私も仕事が忙しくてお昼を買いに行く時間がない時などは重宝しています。
今後、中国も労働力人口の減少と競争激化による人件費の上昇、過剰労働など、日本と同様の問題が起きないとは限りません。ただ、地方出身の労働者の雇用創出という側面と、世代を超えてスマホファーストが当たり前になっているこの国において、当面は、デリバリーアプリを使った便利な配達サービスを享受することができるように思います。
近衛元博
D2C China代表取締役
慶應義塾大学 経済学部卒業。2001年ウェブデザイナーとしてキャリアをスタート。ディーツー コミュニケーションズ(現D2C)入社後、2006年より株式会社電通に出向し、その後5年間、電通のデジタル・ビジネス局にてモバイル領域のプランニング並びにサイト制作を手がけ、多数の大型クライアントのキャンペーン設計に携わる。2011年8月、迪尓希(上海)広告有限公司(D2C China)設立に伴い、同社の総経理(CEO)に就任。中国において、デジタルを活用したキャンペーンを精力的に手掛ける。2016年、中国で最も権威と影響力のある「中国国際広告祭」の「中国広告長城賞- インタラクティブ・クリエイティブアワード」でグランプリを獲得。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)