体中を駆け巡る“音の触感”--「Rez Infinite」シナスタジア・スーツ2.0を体験

 エンハンス・ゲームズが、PlayStation VR(PS VR)に対応するPS4用ソフトとして配信した「Rez Infinite」のプレイ体験を、より高めたものにする「シナスタジア・スーツ2.0」をメディア向けに公開した。

シナスタジア・スーツ2.0を着用しての「Rez Infinite」
シナスタジア・スーツ2.0を着用しての「Rez Infinite」

 Rez Infiniteは、“音と映像”にフィーチャーした2001年発売の3Dシューティングゲーム「Rez」のリマスター版。新ステージ「Area X」を追加する形で、2016年10月にリリースされた。通常のPS4のみでもプレイ可能で、4KやHDRにも対応しているため、ハードやモニタなど環境を整えばよりクオリティの高いRezをプレイすることが可能。PS VRを使用すると、VR空間に拡張された世界のRezを体験することができる。

 リリース後、国内では「PlayStation Awards 2016」において「VR特別賞」を受賞したほか、海外では北米のゲームアワード「The Game Awards 2016」においても「Best VR Game」を受賞。世界的に高い評価を受けたタイトルとなっている。

 シナスタジア・スーツは、本作の共感覚(シナスタジア)的なコンセプトを体現するために、ライゾマティクスと慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科とともに製作されたもの。スーツ全体に振動素子を搭載し、ゲームと連動した振動が全身を刺激。臨場感をより高めてくれるというものだ。また、振動に連動して発光するLEDが搭載したスーツもあり、初期作である「1.0」では、2着をあわせて着用していた。振動がどのように動いているかを光として表すことにより、見ている人でも世界観を感じられるような仕組みとなっている。このシナスタジア・スーツは、いわゆる1点物であるため市販を行っておらず、一部の体験会などで公開されていた。

  • 振動にあわせた光を放ち、見ている人もゲームと光の融合を楽しめる

 今回の2.0では1着で振動素子とLEDの両方を搭載したスーツになり、振動素子の数は1.0と同じ26個だが、振動のバリエーションを増やしたほか、少し強めにしているという。また1.0でプレイできたのはArea 1だったのが、2.0ではArea Xで楽しむことができる。

 筆者もPS VRを装着したうえで2.0を体験した。以前1.0を実際に体験し、格別の気持ち良さを味わった記憶があるのだが、2.0はそれを遥かに上回るものだった。音にあわせて振動の位置や強弱が設定されており、振動が体中を駆け巡るような感覚があり、2.0では振動の強さも含めてパワーアップしているうえ、パーティクル(粒子)で構成されたArea Xの幻想的な世界というのも相まって、想像を上回るプレイ体験を味わうことができた。Area Xの途中までで終了する形であったため、むしろもっと続けていたいと思えるほどでもあった。

 エンハンス・ゲームズの代表を務める水口哲也氏は、シナスタジア・スーツの製作経緯として「Rezの世界を拡張するため、そして未来に向けて新しい体験ができるということをやってみたかった。将来的な構想や考え方の片りん、そしてVRの未来はもっと面白くて楽しい、可能性に満ちた世界であることを伝えたかった」と振り返る。

エンハンス・ゲームズの代表を務める水口哲也氏
エンハンス・ゲームズの代表を務める水口哲也氏

 2.0の開発にあたっても、人間にとって気持ちがいいと感じられる振動の箇所や強さにこだわり、トライアンドエラーを繰り返したという。「ただ全体が振動するだけではなく、いろいろな振動が組み合わさり、“音の触感”というような振動が、インタラクティブに体中をめぐる体験は、これまでに経験したことがないゆえに、気持ちいいと感じられる」という。

 今後についても、さらなる“拡張”に意欲を見せた。「進化させたいものがいっぱいある。Rez Infiniteというコンテンツとしてもここからがスタートで、シナスタジア・スーツ3.0の構想もすでにある。また、VRの体験を拡張する実験もいろいろと試していきたい。なので、作り手だけではなく体験する人も含めて参加してほしいし、新しい体験を一緒に生み出していくキャッチボールができたら」と語った。

 本作の世界を拡張する試みとして、イベント「VR to Dome 実験: Rez Infinite」を、6月3日に日本科学未来館で開催する。これは従来はヘッドマウントディスプレイを装着して1人で楽しむVRコンテンツを、半球のドームシアターに投影して、約100名の鑑賞者と同時にゲームの体感する実験的なイベントとなっている。鑑賞のみの場合は事前予約が不要で整理券制。プレーヤーとして希望するユーザーは未来館ホームページからの事前申込制となっている。

 またユーマが運営する「iam8bit Japanストア」において、5月22日15時から本作における「コンプリート・パック」をアンコール販売。これは米国のiam8bitで販売されていたものを日本向けにしたもの。一般流通していないパッケージ版に加え、本作の制作スタッフのインタビューを交えて、歴史や制作背景を綴ったブック付きのサウンドトラックの3枚組レコード・セット(日本語訳ブックレット付き)、Tシャツ2種、ピンバッジ2種をはじめ、レコード・セットに未収録のArea X の楽曲1曲とリミックス曲を収録したCDや非売品ステッカー、今回のシナスタジア・スーツ2.0を体験できるパスカードを同梱している。価格は税込で3万3888円で、88セット限定となっている。

パッケージ版やレコード、Tシャツなど、Rez Infiniteの関連グッズをコンプリートしたセットも展示していた
パッケージ版やレコード、Tシャツなど、Rez Infiniteの関連グッズをコンプリートしたセットも展示していた

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