英国で公共医療を提供する国民保健サービス(NHS)関連病院は、世界規模のランサムウェア攻撃への対策で今も苦戦を強いられており、3日が経過した時点でも、複数の病院のコンピュータシステムはロックされたままだという。さらに、当初は影響を受けていなかった病院も「WannaCrypt」ランサムウェアの被害に遭ったことが明らかにされたようだ。
先週末以降、WannaCrypt(「WannaCry」「Wcry」としても知られる)による被害は、150カ国以上で20万件超に及んだとされている。WannaCryptは世界中の企業や政府、個人に感染した。特に「Windows XP」など、サポートが終了したMicrosoftのOSを使っているユーザーが被害を受けた。
英国の医療機関はこのランサムウェア攻撃によって、オンライン接続の切断を余儀なくされ、患者の予約がキャンセルされた。NHS Englandは今回のサイバー攻撃について、「重大な事件」と宣言した。本稿執筆時点までに、病院からGP診療所まで、NHSの計61の組織がWannaCryランサムウェアの被害に遭ったことが分かっているという。
週が変わっても攻撃は収束していないようで、当初は影響を受けていなかったShrewsbury and Telford Hospital NHS Trustでも被害が確認されたという。
ロンドンにあるBarts Health NHS Trust(英国最大規模の病院グループ)は英国時間5月15日午前、「ITの混乱」が今も発生していると述べ、一般の人々に対して、「それが可能なところでは」ほかのNHSサービスを利用してほしいと要請している。
WannaCry攻撃の影響を今も受けているNHS Trustは、Bartsだけではない。United Lincolnshire Hospitalsも依然としてさまざまな問題に苦しんでいるNHS Trustの1つで、15日に予定されていた外来患者の予約、診断テスト、通常の手術を全てキャンセルした。
英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は、組織が通常業務に戻る週明けに、WannaCrypt攻撃の第2の波が発生する可能性について警告した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス