ローマ法王が、人間よりもモノを優先する風潮が世界に広がっていることを批判した。カトリック教会の最高指導者であるローマ法王フランシスコは、現地時間4月25日にTEDで講演し、モノだけでなく人間を使い捨てにする「無駄遣いの文化」を終わらせようと呼びかけた。
ローマ法王はバチカンからの動画中継によって講演し、バンクーバーの会場に集まったハイテク業界の著名人らに対し、「私たちが作り上げた技術と経済のシステムによって見捨てられた」人々のことを忘れないようにしてほしいと語りかけた。こうしたシステムが、「気付かないうちに、人間ではなくモノを中心に据えてしまっている」とローマ法王は指摘した。
このTEDのイベントは、「The Future You」(未来のあなた)というテーマで開催されたもので、Tesla最高経営責任者(CEO)のElon Musk氏やテニスのSerena Williams選手も講演する。ローマ法王は、希望や人とのつながりの必要性を強調し、移民や気候変動といったテーマを織り交ぜながら、テーマの中でも「あなた」という部分に力点を置いて話した。また、世界の指導者たちに、謙虚さと優しさを忘れないでほしいと呼びかけた。
「科学の発展や技術革新によって、より平等で共生的な社会が実現すれば、どれほど素晴らしいでしょうか。はるか遠くの惑星を発見する一方で、私たちの身近にいる兄弟姉妹が必要とするものを再発見できれば、どれほど素晴らしいでしょうか」とローマ法王は語りかけた。
ローマ法王が行ったスピーチ全文は以下より視聴できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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