HJホールディングスは4月20日、映像配信サービス「Hulu」のシステムリニューアルを5月17日に実施。それに関する説明会を開催した。
Huluは2011年9月にHuluジャパンとして日本市場で事業をスタート。2014年4月には日本テレビ放送網の傘下に入り、4月には名称をHJホールディングス合同会社からHJホールディングス株式会社に変更している。
2016年12月時点の会員数は151万2000人。2015年3月の100万人突破から約1年半で50万人を積み上げた。配信コンテンツ数は4月現在で4万1521本に上る。
HJホールディングス代表取締役社長である於保浩之氏は「特定のジャンルにこだわらず、百貨店のようなラインアップを目指す。いろいろなお客様に満足いただけるようなサービスになることが目標」とHuluの立ち位置を示す。
日本テレビとの連携によるドラマやバラエティコンテンツの見逃し配信、「東京ダラダラ娘」などの地上波連動のオリジナルドラマなど、日テレグループならではの配信コンテンツを用意。巨人戦やBBCワールドニュース、FOXチャンネル、ナショナル ジオグラフィックチャンネルなどリアルタイム配信コンテンツも取りそろえる。
リニューアルではリアルタイム配信コンテンツの視聴を、現在のPCのみからスマートフォンやタブレットまで見られるようにライブ視聴環境を拡大。加えて、1アカウントに対し最大6人までのプロフィール設定ができる「マルチプロフィール」を導入する。
マルチプロフィールは、家族1人1人の履歴や好みを保存することができ、プロフィールごとにパスワードの設定も可能。これにともないキッズ専用ページとの行き来にもパスワード入力が必要になり、視聴制限コンテンツのロックにも有効だ。
コンテンツ検索には、従来までの「人気順」「新着順」といった検索に加え、年代、国、ジャンルなどのキーワードから作品を絞りこめる「ドリルダウン絞込み機能」を採用。また、「おすすめのホラー映画」や「ITを題材にした作品ベスト10」などの特集枠を設置する。
HJホールディングス事業戦略室室長の太田正仁氏は「リニューアルにあたって、100人を超える人を調査し、どんなニーズがあるのか、何が不満なのかを探っていった。そうする中でコンテンツを選ぶ際に“ゆらぎ”があることがわかり、そこに対応する機能としてドリルダウン絞込み機能を実装した。また、特集枠の選定には手前みそだが“コンテンツ愛”の深いHuluのスタッフの知見を活用している」とリニューアルの背景を話した。
テレビ、PC、タブレット、スマートフォンとマルチデバイス化を展開するHuluだが、現時点の視聴デバイストップはスマートフォンとのこと。これを受けて、再生中の通信容量も表示できる機能も追加。画質設定もできるためモバイルでも安心して利用できるとしている。
動画配信サービスは、参入サービス数が増え、昨今では市場から撤退するサービスも出始めている状況。それに対し於保氏は「市場環境が激しいことは認識している。先日、電車内で毎晩寝る前にHuluで海外ドラマを視聴していて、今ではなくてはならない存在と話してくれている人を見た。このように人々の生活に入れるサービスになることが勝ち残っていける要因だと思っている」と話した。
今回のリニューアルでは、NetflixやdTVなどが採用しているダウンロード機能については採用が見送られた。太田氏は「当然考えてはいるが、現状ではダウンロードできないコンテンツがあることも事実。そのため実装は見送っている状態。また、4K、HDR配信についても、競合サービスの加入状況を見ても、そこまでニーズが高い機能だとは思っていない。Huluの強みはワンプライスも含めて、サービスのわかりやすさのため、あえて機能を絞っている状況。4K、HDRについては、ニーズが高まればすぐに対応していきたい」とコメントした。
Huluでは、長く米国のシステムを使用してきたが、今回のリニューアルでは、日本のシステムへとほぼ切り替えており、日テレグループとして作成したとのことだ。
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