Amazonが、同社のプラットフォームから偽造品を排除することを目指してブランド登録の仕組みを刷新し、製品メーカーの敵ではなく味方であるという姿勢を示そうとしている。
Amazonのマーケットプレイス担当バイスプレジデント、Peter Faricy氏が、Reutersに語ったところによると、この新しいブランド登録システムでは、企業ロゴと知的所有権を登録したブランドが、自社製品の偽造品と思われるものを見つけた場合には、こうした出品に対し削除を要請できるようになるという。
この模造品対策ツールは現在テスト中で、無料サービスとなる。北米では早ければこの春にも利用可能になる見込みだ。
新しいブランド登録システムでは、ブランド、買い物客、Amazonのいずれもが模造品だとの指摘が可能で、それに基づいてAmazonが出品を削除するかどうかを決める。
Faricy氏によると、模造品を撲滅するAmazonの取り組みは、まだ始まったばかりだという。そのきっかけとなったのは、2016年に靴メーカーのBirkenstockが、サードパーティーの小売業者に対し、今後はAmazonのサイトで同社のサンダルを販売することを認めないと通知した一件だった。
Birkenstockは、自社製品の全シリーズをAmazonで販売しない限り、偽物との戦いでなかなかAmazonの協力を得られないことに不満を述べていた。
さらにAppleも2016年に、Appleブランドをうたう偽の電源アダプタとケーブルをAmazonで販売したとして、ある米国企業を提訴した。Appleの主張によれば、同社がAmazonで購入した「Apple製品」のうち実に90%が模造品だったという。
Amazon自体も、同社が言うところの「少数の悪徳業者」が、同社のサイトで偽物を売りさばくのを防ぐために訴訟を起こしている。さらにAmazonは、USB規格に準拠しないUSB-Cケーブルの販売に関する制限を厳格化したが、これは模造品対策というよりも、Googleのあるソフトウェアエンジニアが、偽物には安全面での懸念があると指摘したためだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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