同社は、アトランティスやGunosyを立ち上げてきたシリアルアントレプレナーである木村新司氏が2016年6月に設立した企業。「テクノロジに包まれた社会を実現する」をミッションに、同年9月から小規模なEC事業者などに向けて、いつでもどこでも簡単に商品の販売や支払いができる決済サービス「AnyPay」を提供している。
同日の記者発表会で登壇した木村氏は、日本のキャッシュレス決済比率は19%と、米国(48%)や韓国(62%)などの先進国に比べて圧倒的に低く、インターネットバンキング利用率も3割程度にとどまっていると指摘。その理由として、日本は先進国において最もATM普及率が高く、いつでも現金を引き出せることを挙げた。
一方で、世界では個人間での送金決済を展開する「venmo」が月間流通金額で約1200億を超えるなど、モバイル送金決済サービスが急成長していると説明する。特に中国のモバイル決済サービス「WeChat Payment」の成長が目覚ましく、活発に友人間で送金が行われているそうだ。
このように電子決済決済市場は変革期を迎えており、世界が“キャッシュレス化”に進む中で、いずれは日本でも同じ流れが起きると木村氏は予想。また、venmoやWeChat Paymentの利用シーンで、最も多いものがレストランでの支払いや割り勘であることから、飲食代を中心とする割り勘に特化したpaymoを開発したと背景を語った。
実は木村氏が「割り勘」に特化した理由はもう一つある。それは、日本で資金移動業者が送金サービスを提供するには、送り手と受け取り手の双方が免許証などで本人確認をしなければならず、友人間などで気軽に送金するには適していないことだ。そこで、paymoではレシートを撮影して、その金額を割り勘する“債務”として扱うことで、本人確認なしに支払えるようにしたという。
そのため、木村氏はpaymoについて「個人間の“送金”ではないということを明確に申し上げたい」と強調。各省庁にはまだ確認していないそうだが、「確固たる弁護士事務所と法律に沿って問題ないことを確認した上でサービスを展開している」と説明した。なお、海外ではシチズンIDという日本でいうマイナンバーと、口座番号されあれば個人間で送金ができるため、今後は日本でもそうした柔軟な対応を期待したいとした。
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