営業職だとしても、「交渉」と聞いただけで身構えてしまうほど、苦手意識を持っている人は、少なくないのではないか。ある程度、場数を踏んで経験を積んでいくしかない面はあるとしても、人の経験からいくつかのパターンを学んで実践にのぞむのと、まったく知識のないまま交渉の場に出ていくのとでは、結果がまったく異なるはずだ。本書は、手軽に読めるタイプの本でありながら、交渉に必要な基本的なスキルを学べる。
本書では、「交渉」を「何らかの利害を背負った主体(個人・組織など)が、コミュニケーションを図ることで、互いの利害を確定しようとする行為」と定義している。単なる会話ではなく、利害が絡む話し合いだということが分かる。たとえば、新しい商品を取引先に買ってもらおうとするとき、逆に、他社が提供するサービスを導入しようとするとき、あらかじめ提示してある価格のまま契約することは、特に会社対会社の場合少なく、なにがしかの価格交渉が行われるはずだ。
むやみに安くするのではなく、代替案などをスマートに出せれば交渉もスムーズにいく。そこをうまくやるのは、慣れないと難しいだろうが、事前に学んでおけば、慣れなくとも動揺せずに済むのではないか。本書には、そのために必要な交渉のための準備や、パターン別の対策だけではなく、交渉に強くなるための訓練方法まで書かれているのだ。
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