クアルコム ジャパンは11月22日、ハイレゾ対応の高音質アンプデバイス「DDFA」と、最新オーディオコーデック「aptX」について、説明会を開催した。
DDFAは、デジタル入力と独自のフィードバック技術を採用した高音質デジタルアンプデバイス。クアルコムCDMAテクノロジーズマーケティングマネージャーの大島勉氏は「音質的に劣化を招くものを排除して高音質を実現する」と説明する。
ハイレゾオーディオ入力に対応しているほか、117デシベルのS/N比を実現。デジタル領域での高度な解析、音声処理ができ、プリアンプ機能も備える。
デジタルアンプは、低消費電力や小型化できるという長所を持つが、音質が悪いという欠点もあり、アナログアンプには及ばないという見方が多かった。しかしDDFAでは、高い電力効率と高音質特性により、アナログアンプを超える特性が得られるとのことだ。
すでに欧州のオーディオブランド「NAD」が採用しているほか、2015年2月に発売したデノンのUSB-DAC/プリメインアンプ「PMA-50」が日本で初採用した。
ディーアンドエムホールディングス国内営業本部営業企画室マーケティンググループマネージャーの宮原利温氏は「初搭載したPMA-50は、コンパクトサイズながら本格的なプリメインアンプとして、人気を博しているモデル。採用のきっかけは大島さんが自作のボードを持ち込んでくれたこと。オーディオ的な仕上げも共同で行った」と開発の背景を話した。
デノンでは、「DRA-100」「DNP-2500NE」とDDFA搭載モデルをリリースし、第4弾モデルとなる「DA-310USB」(12月発売予定)では、最新世代のチップを搭載しているという。
オーディオ圧縮コーデック技術、aptXについても説明した。Bluetoothの高音質オーディオコーデックとして知られ、現在aptXのほか、低遅延を実現した「aptX low latency」、ハイレゾオーディオに対応した「aptX HD」の3種類を展開。ブランディング契約は430社、ライセンシーは330社、対応デコーダは7500万台にのぼる。
Bluetoothの標準コーデックとなるSBCと比較すると、SBCが16kHz付近で信号が落ちてしまっているのに対し、aptXでは、21kHzを超えるまで信号をキープ。原音に近い再生音を実現できるという。
大島氏は、Bluetoothオーディオがパケット構造を使い転送されていることを説明した上で「aptXは効率的にパケットにデータを詰めることができる」と、フレームデータがすべてそろってから音声デコードを開始する他のコーデックに対し、効率的にデコードができるaptXのメリットを話した。
最新のaptX HDを、11月発売のBluetoothヘッドホン「ATH-DSR9BT/DSR7BT」で採用しているオーディオテクニカマーケティング本部広報宣伝課マネージャーの松永貴之氏は「ポータブルでもaptXHDを搭載することで、最新の高音質を提供できると判断したため」と採用の理由を話す。両機種ともにデジタル音声処理技術「Dnote」に対応し、転送ロスを極限までなくすことで、高音質再生を追求している。
松永氏は「ATH-DSR9BT/DSR7BTはハウジングの素材まで、そのすべてにこだわったモデル。あますところなく高音質再生を実現するにはaptX HDが必要だった」とした。
オーディオ機器だけでなく、aptXはスマートフォンにも採用されている。LGエレクトロニクスジャパンでは、スマートフォン「isai vivid」にaptX、「isai Beat」にaptX HDを採用する。
LGエレクトロニクスジャパンマーケティングチーム部長の金東建(キム・ドンゴン)氏は「クアルコムと一緒に先進技術を提供し、ユーザーの方に新しいライフスタイルを提案していく」と、取り組みを話した。
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