DJIは11月16日、幕張メッセで開催されている国際放送機器展「Inter BEE 2016」において、新型のハイエンドドローン「Phantom 4 Pro」と、プロフェッショナル向けドローン「Inspire 2」を国内発表した。9月には折りたためる小型ドローン「Mavic Pro」を発表したばかりで、DJIの新製品ラッシュが続く。
Phantom 4 Proは、すでに販売している「Phantom 4」のカメラやモータなどスペックを大幅に向上した上位モデル。2000万画素の1インチセンサを搭載し、DCI4K60p撮影(H.264時、H.265は30p撮影。D-Log撮影もサポート)に対応。Phantom 4で搭載していた1/2.3インチセンサと比較してサイズが4倍に拡大しており、ダイナミックレンジや高感度特性が大幅に改善されている。レンズは焦点距離が24mm(開放F2.8)の広角タイプ。メカニカルシャッターを搭載し、高速飛行中や高速移動する被写体の撮影時に映像が歪む「ローリングシャッター現象」を回避できる。
Phantom 4 Proは、DJIオリジナルの障害物回避システム「FlightAutonomy」を採用。障害物の3次元マップを作成するビジュアルシステムを機体の前部、後部、下部に設置。機体の左右には赤外線センサも搭載されている。こうしたセンサから機体の位置、ナビゲーション、飛行ルートを自動で調整する。検知範囲は前方、後方ともに30mまで拡大しており、複雑な3次元環境下にも対応する。また、でこぼこな地面や水面への着陸を回避する。
飛行モードも複数搭載。「Drawモード」では、送信機のディスプレイ上に線を描くだけで、高度を維持したまま描いた線の方向に飛行する。ディスプレイに目的地をタップするだけで、自動で障害物を回避しながら飛行する「TapFlyモード」なども搭載しており、操縦に手間取ることなく撮影に集中できる。また、「ActiveTrackモード」も搭載しており、人や車、動物といった一般的な被写体を認識し、機体を安全に飛行させることが可能だ。セルフィー用のモードも搭載。送信機がなくても、カメラに向かって特定のジェスチャーを取るだけでセルフィー撮影ができる。
Phantom 4 Proの送信機は、「Lightbridge HDビデオ伝送システム」を採用し、 4kmの伝送距離を実現。機体は、電源を入れると自動で2.4GHz帯、5.8GHz帯を選択し、電波干渉の高いエリアでも安定した通信が可能となる。Phantom 4 Pro+の送信機には、高輝度(1000カンデラ)な5.5インチディスプレイを搭載。メインカメラがとらえた映像や飛行情報を表示できる。送信機には、HDMIポート、microSDカードスロット、マイク、スピーカ、Wi-Fiユニットを搭載し、高い拡張性を実現している。
4K60p撮影は、イメージセンサと映像処理プロセッサの負担が大きく、また、カメラの重量増にともない大型モータを採用している。通常なら飛行時間に影響が出そうだが、DJIの持つ省電力技術の向上により、Phantom 4とほぼ同じバッテリ容量ながら、最大30分の飛行を実現している。最高時速は、Pモードで時速50km、スポーツモードでは最大時速72kmに達する。
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