女子高生は、“友だちと一緒”が大好き。たとえば、「双子コーデ」といわれる、友だちとお揃いのファッションがあり、Instagramなどでも人気のハッシュタグとなっている。さりげないお揃いは「リンクコーデ」といい、やはり人気が高い。友だちとだけでなく、カップルや親子間でも取り入れることができるものだ。
同様に人気があるのが、「双子ダンス」だ。2人でお揃いのダンスを踊ることを意味し、Mixchannelでも「ツインズ」カテゴリには、たくさんの双子ダンス動画が投稿されている。「まこみな」が投稿する双子ダンス動画は、執筆時点で1億2000万回以上再生されており、最近はCDシングルも発売している。
高校1年生女子A実は、「“双子”だとなんか可愛い」という。「仲が良さそうだし、楽しそう。私もやりたい」と言っていた。友だちと写った写真をLINEのカバー画像などに設定する例は多く、気軽な仲良しアピールとして深く浸透している。
高校生は、あらゆることを気軽にコラボしている。コラボする相手は、ネットで探すことが多い。
自分の周辺では希望者が見つからないことも多いし、ネットで探すほうが気軽にマッチングできる。たとえば、前述のnanaでも、コミュニティでユニットメンバーを募集している例は多い。募集だけでなく応募も多く、コラボしたい欲求の強さが感じられる。nana以外にも、コラボするためのアプリなどが多数登場しており、10代におけるコラボしたい欲求の強さを感じる。
高校2年生B子は、やはりバンドメンバーをネットで募集した。「周囲にドラムができる子がいなかったのと、音楽の趣味が合う子が見つからないから。ネットを使えば遠いところに住む子とでもセッションできるし、そのほうが楽しい」という。メンバーとは現在も定期的にネット上でセッションしているが、直接顔を合わせたことはないそうだ。
以前なら、セッションするために音楽の趣味をゆずって相手に合わせたりしていたところが、今はネットで探せばピンポイントで同じ趣味の相手と出会うことができる。その上、B子いわく「友だちからの紹介とかだと断りづらいけれど、なんか違うなと思ったら(ネット経由なら)断りやすい」。バンドメンバーとしてやっていくには、音楽の趣味だけでなく、技術力や人間性も関係する。以前なら苦労したその部分が、ネット経由なら楽だと考えられているようだ。
コラボレーションは良いものだ。コラボによって、企業だけ、高校生だけでは出てこないような、思わぬ良いアイデアが生まれることは多い。ネット経由でセッションなどの楽しい経験ができることも、とても良い体験だろう。
しかし、それだけでなく、人間関係を調整したり、お互いに一致するところを模索したりする体験も重要だろう。ネットにすべて任せてしまうと、自分は何もゆずることなく、他人も手軽に切ることができてしまう。
コラボは人間関係を学ぶ機会に満ちており、トラブルも良い経験になることが多い。ネット経由での出会いを、人間関係を広げるきっかけとしてもらえるといいのではないか。ネットだけでなく、リアルでもさまざまな体験をしてもらいたいと願う。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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