NTTドコモは7月20日、皮膚から放出される複数種類のガス(皮膚ガス)のうち、脂肪代謝・飲酒・脱水の指標となる3種類のガスを、足裏から同時に計測できる健康管理装置を、世界で初めて開発したと発表した。
同社ではこれまでも、息を吹きかけて脂肪代謝の指標となるアセトンを計測する装置、腕に身に着けてアセトンを計測する装置、アセトン計測装置を実装したセルフ健康検査装置などの研究開発に取り組んでおり、実用化に向けた実験を国内外で進めてきた。
今回開発した装置には、片足につき2カ所の穴があいており、その穴を足裏で塞ぐことで、アセトン、エタノール、水蒸気の3つの皮膚ガス成分を同時に約20秒間で計測できる。計測値はスマートフォンやタブレットに送信され、体脂肪の燃焼状態、飲酒や脱水の有無に対する判定結果として表示できる。なお、同装置は靴下やストッキングをはいた状態での計測にも対応するという。
アセトンは体脂肪の分解・燃焼に伴って放出される代謝産物であるため、体重と同時に計測することで、減量が体脂肪の減少によるものなのかどうかをより正確に特定でき、脂肪代謝の「見える化」による効率的なダイエットの確認が可能。さらに、生活習慣病の元となる肥満の解消・予防も期待できるという。
一方で、アセトンの放出量が異常に多い場合は、過度なダイエットの可能性があるため、注意喚起につながるほか、糖尿病患者や妊婦に発症するケトアシドーシスの早期発見にも役立つとしている。さらに、エタノールや水蒸気の計測結果から、酒気帯びの有無や水分補給の要否を判定し、健康管理に向けたアドバイスをすることも可能だという。
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