米連邦航空局(FAA)は米国時間6月21日、無人航空システム(UAS、通称ドローン)の商業利用に関する初の公式な規則を発表した。これにより、電力会社の調査や農業などの用途にドローンを導入することが容易になる。これまで、ドローンを利用するにはFAAの特別な許可が必要だった。
ただし、この規則は制限事項も含む。たとえば、操縦者に対し、ドローンを常に自分の視界に入れておくことを求めている。これは事実上、Amazon.comやGoogleが構想するドローン配達サービスを禁止するものだ。
FAA局長のMichael Huerta氏は、声明の中で次のように述べた。「われわれは今回の新たな規則によって、この新技術を導入するニーズと、公共の安全を守るFAAの使命を釣り合わせるアプローチを、注意深く計画的に進めていく。ただし、これは最初のステップにすぎない。われわれはすでに、運用の範囲を拡大する追加の規則に取り組んでいる」
FAAは、ドローンの利用促進に対する関心を表明した。声明の中で、今回の新規則は、米国で820億ドル超の経済効果を生み、今後10年間で10万以上の新たな雇用を創出する可能性があると述べている。
2016年8月後半に発効されるこの新規則は、趣味以外の目的で運用される55ポンド(約25kg)未満のドローンを対象とする。操縦者は、ドローンを常に目視することに加え、日中に限って飛ばすことを求められる。ただし、ドローンが衝突防止灯を搭載している場合、夕暮れ時の飛行も可能だ。
飛行高度は、地上から400フィート(約120メートル)までにおおむね制限されている。操縦者はまた、飛行に直接関与していない無防備の人々の上空で、ドローンを飛ばすことを禁じられている。
操縦者は16歳以上であることが必須で、小型ドローンの遠隔操縦士免許を持っているか、免許保有者による監督が必要になる。また、米運輸保安局(TSA)による身元調査に合格しなければならない。
FAAは今後、目的の飛行が安全に行われることを証明できる操縦者に対して、一部の制限を免除する方針だ。今回の新規則はまた、プライバシーの問題に対応しているとは言えないが、そうした問題は主に米電気通信情報局(NTIA)の管轄となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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