これまでのカレンダーの課題は、ミーティングとミーティングの間に空きがあった場合、他の人からは「空いている時間」だと見えてしまうことでした。
しかし、当人としてはミーティング外の空いている時間を使い、別の作業を済ませたい、記事を書きたい、コードを書きたいといったことのためにキープしてある隙間時間の可能性もあります。当人も、予定は空いていないと言いづらいものですが、「時間を探す」によって自分自身では守りにくい隙間時間を保護してくれるのです。
我々のチームでもいろいろと検討しました。ミーティングなど、すでに決まっている予定のほかに、「緩やかだけどやらなければいけないこと」の部分にこの新機能を活用できます。人間側が言い出しにくいことを補うために、機械学習のシステムが活用できるのです。
我々の中では擬人化することは考えていません。個人が抱えている個々の問題の解決にあたってどういった支援ができるか、Googleが持つリソースをどのように使えば問題解決できるかなどの視点で考えています。「秘書」といった見方も一つの視点ですが、どちらかと言えば達成したい目的や課題があり、どのように支援するかといった発想から来ています。
機械学習は、Google創立時から私たちのコアにあったものだと思っています。検索自体も機械学習の問題解決機能としてとらえることもできます。Gmailのスパムプロテクションも機械学習ベースです。そのほかのアプリケーションであっても、コンピュータを使って人生を、日常を楽に過ごせるためのコアになっているのが機械学習なのです。
また、10年間でコンピュータが強力になったことで、「Deep Neural Network」などの研究も盛んになってきました。これにより、さまざまな問題解決に機械学習が使えるようになったわけです。例えば、写真内のオブジェクトを識別することで、オブジェクトの名前に関連する写真だけを探し出すことができます。また、メールの内容から返信メールを自動生成するInboxのスマートリプライも、2~3年前では実現できない技術でした。この機能は現在、返信メールの10%で使用されています。
Gmailのスパムプロテクションは、メールが抱えている課題の解決からはじまりました。今では、不要な情報を排除して重要なメールをカテゴリ分けできるようになりました。進化の過程はこれからも続けていきたいです。
また、Gmailと同様の問題・課題がユーザーの別の生活の場面でも出てきていますので、それらの解決方法を検討するにあたり、機械学習がキーになってくると考えています。
非常に大きく変化したのはモバイル化が進んだことでしょう。しかも、ユーザーが複数のデバイスを持つようになり、いつでもどこでもデータにアクセスできるようになることで、ワークスタイルもより柔軟にしたいという要望も増えてくるでしょう。どこにいても、どの時間でも、できる限りアクティブに仕事をしたいと考えています。今後もさまざまなワークスタイルが登場すると思いますので、都度、対応していきたいですね。
世界がとてつもないスピードで変わりつつあります。プライベートな時間と仕事の時間をどのように管理していくか目まぐるしく変わっていきます。Apps for Workはコンシューマーでも使える機能がたくさん備わっていますので、仕事もプライベートもまとめて一つで管理できます。
例えば、プライベートで病院の予約を入れていたとします。ボスからミーティング要請があり、病院の予定と被りそうになった場合、システム側がスケジュールを最適化し、病院の予定を回避してスケジューリングしてくれるのです。
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