エストニアのタリン工科大学に在籍している内藤剛生氏は、ウェブデザインの検証ツール「Eyecatch」を開発した。ウェブサイトでボタンのサイズなどレイアウトを変更した際、予期しない箇所にUI変更の影響が出てしまうことがある。数ページであれば目視でのチェックは可能だが、ページ数が多く、PCやタブレット、スマートフォンなどに対応するレスポンシブデザインも含めると、ページ数は膨大になる。
Eyecatchでは、画像認識技術を使い1ピクセル単位でウェブページのズレを検知することができる。また、プログラムにより自動生成される会員認証後の確認ページといった、動的ページのデザインも確認可能だ。現時点では、限定的なベータ版として提供している。
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻の竹内理人氏と、広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻の山中治氏は、動画から動物の行動ログを抽出できるプラットフォーム「UMA Tracker」を開発した。大量の微細な動物群のなかで個体追跡を可能にするツール。
これまで多くの研究者は、動画をコマ送りして個体の位置を主導で記録する「手打ち」を実施してきたが、UMA Trackerでは、34までの個体を同時に追跡可能。また、既存のソフトウェアと異なり、ほかの個体と判定が入れ替わってしまっても簡単に修正できる。現在12の研究グループで使用されており、一部の大学では学生実験用のプラットフォームとしても導入が決まっているという。
東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻の大津久平氏は、拡張性、検証性を兼ね備えた研究開発用レンダラ「Lightmetrica」を開発した。CG映像の多くは、立体映像における光や影の効果などのレンダリング工程において、日々新たな手法が研究されている。
効率の良い研究プロセスを実現するには、素早く、正確に新手法を実装し、既存手法に対して検証する必要があるが、機能拡張を前提とし、かつ十分に検証された研究開発用のレンダラはこれまで無かったという。Lightmetricaにより、交差判定、テクスチャ、光源モデルといった表現を生み出す要素を拡張でき、再利用可能な要素として十分に検証されているという。
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