Googleは「Firebase」の新バージョンをリリースし、Googleが提供するさまざまなサービスを開発者が簡単に利用できる環境を整えた。これによってFirebaseは、Android、iOS、ウェブアプリの開発、管理、収益化を横断的に行うことが可能な、1つですべてがそろう統合プラットフォームに進化した。
Googleがアプリのクロスプラットフォームバックエンドサービスを提供するFirebaseを買収したのは、2014年のことだ。同社は、リアルタイムデータベース、ユーザー認証、ホスティングなどのサービスを提供していた。
Googleが同社の開発者向け年次カンファレンス「Google I/O」で発表した新しいFirebaseは、「Google Cloud Messaging」を始めとする、Googleが提供する多数のクラウドサービスが統合された統合プラットフォームになった。これらの機能はすべて、開発者がアプリを作成し、ユーザーを呼び込み、収益を上げるのを支援するためのものだ。この度、統合を機にGoogle Cloud MessagingはFirebase Cloud Messagingに改称された。
Firebaseの製品マネージャーJames Tamplin氏によれば、新しいFirebaseの狙いは、モバイルアプリ開発者コミュニティの体験を改善することだという。開発者コミュニティは、2014年には11万人だったが、現在では45万人にまで増加している。
Firebaseの新規ツールは、無料の新しいFirebaseアナリティクスプラットフォームとダッシュボードに統合される。開発者はこれを利用することで、iOSアプリやAndroidアプリでユーザーが何をしているかを把握したり、広告効果を計測したり、ユーザーがどこから流入しているかを調査したりすることができる。
FirebaseはFacebookの「Parse」に似ているが、同社は2016年1月に、このサービスを2017年1月に終了することを決めている。FirebaseはMicrosoftが提供するAzureのモバイルサービスや、AWSのモバイルハブとも似ている。
開発関連では、ストレージ(Firebase Storage)、クラウドメッセージング(Firebase Cloud Messaging)、リモート設定(Firebase Remote Config)などの機能が追加された。
アプリの品質改善を支援するためのクラッシュ報告機能や、リリース前にバグがないかをテストする、Android用のテスト環境「Firebase Test Lab」などの機能も提供される。
また、既存ユーザーのアプリの継続利用を促進するため、Firebaseのアナリティクスで選択した特定の利用者に対して、Firebase Cloud Messagingを通じてメッセージを送信する通知機能も追加された。
さらに、Googleの「AdMob」経由でアプリ内広告サービスを統合する機能も提供される。
FirebaseとGoogle製品の統合は、Firebaseが「Google Cloud Platform」と同じアカウントシステムを共有することで可能になった。これはたとえば、開発者がFirebase Analyticsのデータを「BigQuery」にエクスポートしたりすることもできることを意味している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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