VRヘッドセット3社が互いを“褒め合う”--「Oculus Rift」「HTC Vive」「PSVR」 - (page 2)

 続いて、HTCのPao氏はPSVRについて、PS4というゲーム機で楽しむデバイスであることから、「コンテンツ開発者はどのようなパフォーマンスや体験を求められているのかすでに分かっている」と語り、ゲーム開発スタジオをはじめ、これまでプレイステーションによって築かれてきた強力なエコシステムがあると評価した。

HTC Corporation VP, Virtual Reality New TechnologyのRaymond Pao氏
HTC Corporation VP, Virtual Reality New TechnologyのRaymond Pao氏

 Oculusの池田氏は、HTC Viveの強みとして、VR空間を自由に動けるルームスケールVRを挙げた。また、「自虐ネタみたいになるが」と前置きしつつ、大手メーカーならではの注文から配送までの速さを高く評価した。Oculus Riftは配送が遅れていることが指摘されており、予約分配送が終わらないうちに小売り販売を始めたことから、予約者から批判されていた。

 池田氏は、配送に時間がかかっていることを改めて謝罪した上で、「我々は2012年に創業したばかりの若い会社。それに対して、ハードウェアをいままでずっと作ってこられた先輩方の、『当たり前のことを当たり前にちゃんとやれる』ところは素晴らしいと感じている。どうやっていけばいいのか教えていただきたい」と語った。

Oculus Partnerships Lead, Japanの池田輝和氏
Oculus Partnerships Lead, Japanの池田輝和氏

 この中で、各社が共通して述べていたのが、1社だけでは昨今のVRブームを作ることはできなかったということ。引き続き、各社がそれぞれの強みを生かしつつ、協力しながら市場を盛り上げていく必要があるとした。

VR3社は日本市場をどう見ているか

 トークセッション後の囲み取材では、3社が日本市場をどう見ているのかも語られた。まずOculusの池田氏は、日本は他国と比べると裕福な消費者も多いことから、VR市場が拡大していくことは確実であるとの見方を示す。それと同時に、日本ならではのさまざなアプリやサービスが登場することに期待を寄せた。

3者が日本市場への思いを語った。写真一番左がモデレーターのハコスコ代表取締役・藤井直敬氏
3者が日本市場への思いを語った。写真一番左がモデレーターのハコスコ代表取締役・藤井直敬氏

 続いてソニーの吉田氏は、日本は欧米などと比べて、VRの主戦場であるPCゲーム市場が小さいことから、現状は海外よりもVRの普及が遅れていると指摘する。ただし、日本では漫画やアニメ、ゲームの歴史も古く、コンテンツ開発者の層も厚いことから、今後はVRコンテンツによって世界で注目されるクリエイターも出てくるのではないかと話し、「日本のコンテンツ業界にとって非常に大きなチャンスがまたくる」と語った。

 最後にHTCのPao氏は、日本や米国、中国の企業にクリエイター人材の視点でヒアリングしたところ、日本は高い評価を受けていると説明。「日本は大変、クリエイティブ能力が高いので期待できる」と話した。また、店頭でのプロモーションやデザインなど、BtoBの領域でも、日本でVRが普及していくのではないかと予想した。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]