Facebookは5月13日、本社グローバル政府渉外ディレクターのケイティ・ハーバス氏の来日に合わせ、記者向けのラウンドテーブルを実施した。
ハーバス氏は、5年にわたりFacebookを通した選挙活動をサポートしている。同社入社前は共和党上院選挙対策委員会(NRSC)の最高デジタル戦略担当を務めていた人物だ。米国のみならず世界各国での利用促進に力を入れており、過去にも政治家のFacebook利用をサポートする目的で来日。今回の来日は、政治家および政府団体からトレーニングのリクエストがあったためだとしている。
Facebookでは、日々の日常をシェアするツールとしてだけでなく、重要な問題を話し合うプラットフォームとしても使われており、2015年では米国の大統領選挙を筆頭に、シリア難民問題、ギリシャ債務危機、フランスで発生した襲撃事件などついて多くのユーザーが語り合っている。
こうした背景から、Facebookを利用した選挙活動も活発。米国大統領選挙では、述べ7600万ユーザーが「いいね!」など、17億回のインタラクションを実施している。ヒラリー・クリントン氏、ドナルド・トランプ氏、バーニー・サンダース氏などの候補者は、自身の主張をテキストや動画で投稿するほかに、ディベートなどの舞台裏、家族との写真など“人としての一面”も見せることで、ファン(有権者)との距離を縮めている。
現在、Facebookへのアクセスは大半がモバイルからだ。日本でも2500万人の月間ユニークユーザーのうち、2400万人がモバイルを利用している。このため、候補者はモバイルファーストでのコンテンツ作りが求められるようになっている。そして、モバイルシフトの流れで動画の役割が増しているのだ。
候補者たちは、Facebookでの動画投稿のほかに、ライブ配信機能「Facebook Live」を用いて、ファン(有権者)とのコミュニケーションを積極的に展開。特に予備選挙以降、ライブ配信を本格化させている。大小問わず各メディアも動画を活用。大統領選関連情報の配信、スマートフォンを使った現地のライブリポート、ニュース番組のコマーシャルブレイクなど使い方はさまざまだ。
また、Instagramを使った活動も活発だ。ドナルド・トランプ氏は、ファンとのコミュニケーションに活用し、ディベートに参加すべきか意見を募るといった使い方を見せている。また、若い世代に人気のあるバーニー・サンダース氏は、はじめて投票するファンに対して投票方法などを指導。ヒラリー・クリントン氏は、彼女にエンドースしているセレブリティにInstagramのアカウントを1日乗っ取らせる試みを実施している。
Facebookでは、選挙当日に投票に行くよう呼びかける「Voter Megaphone」という機能を日本向けに提供すると発表した。この機能では、初めて投票に参加する18~19歳に向けたものと、20歳以上に向けたものの2種類を用意。選挙当日に、ニュースフィードの上部に表示される。米国などではすでに提供されており、2010年の米国中間選挙では、友達が1人投票したという事実から30万人の投票を促す効果があったとしている。
また、日本の政治家でも安倍晋三首相をはじめ、数多くの議員がFacebookを活用していると紹介。記者からの「政治に関心が無い人たちをどうやって巻き込むか」という質問に対しては、定期的に投稿すること、エンゲージメントを率先すること、有権者に対して関心があることを示すために、質問やコメントには極力返すことが必要だと述べた。
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