ミクシィ、モンスト勢い衰えず売上高2000億円突破--北米では出鼻くじかれる

 ミクシィは5月10日、2016年3月期の連結業績を発表した。

ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏(左)、同社取締役の萩野泰弘氏(右)
ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏(左)、同社取締役の萩野泰弘氏(右)

 通期の売上高は、2087億9900万円で前年度比84.9%増。また、営業利益は950億3300万円で前年度比80.4%増と、増収増益を達成している。ただし、2017年3月期では、新規事業への積極的投資や大規模なプロモーション費用を展開予定。売上高2180億円、営業利益800億円の増収減益を見込んでいる。

 セグメント別では、「モンスターストライク」「マーベルツムツム」などを擁するエンターテインメント事業の売上高は、1953億5500万円と前年度比91.1%の大幅な伸びを記録。「mixi」「チケットキャンプ」をはじめとしたメディアプラットフォーム事業は、134億4300万円とこちらも前年度比26.0%増となった。2017年通期業績予測として、エンターテインメント事業で2040億円、メディアプラットフォーム事業で140億円を見込む。

  • 2015年度通期の業績

  • 2015年度第4四半期の業績

  • セグメント調整後の2015年度通期業績

「モンスト」引き続き好調も、北米で出鼻くじかれる

 エンターテインメント事業では、モンスターストライクの勢いが衰えず、2016年4月には世界での利用者が累計3500万人を突破。「ドラえもん」「聖闘志星矢」とのコラボ企画や、オリジナルアニメの放映、期間限定ショップを渋谷マルイで展開するなど、動画コンテンツやマーチャンダイジングを強化。「XFLAG PARK2016」などのリアルイベントにも力を入れていく。

 また、3月29日より北米でマーケティング活動を開始した。(1)共通動画(2)セグメント別動画(3)その他広告出稿──の3つのフェーズに分け、主にFacebook上で動画を中心としたマーケティングを展開している。フェーズ1として「モンスターストライクってなんだ?」をテーマに動画配信を計画。第1弾の動画は3500万再生を超えるなど高い注目を集めたものの、フェーズ2で配信計画にミスが生じている。

 フェーズ2では、「4人で対戦する」というモンスターストライクの特徴を伝える動画を配信予定だった。しかし、Facebook側との認識の食い違いにより動画広告を配信できなくなったことから、現在はFacebook側と協議中で、仕切り直しも含めて検討するとしている。

 そのほか、マーベルツムツムでは、5月2日時点で利用者が300万人を突破。マーベルという海外に強いIPの特性を生かし、2016年度では海外展開を本格化させるとしている。

チケットキャンプ好調、イケメンブックマークアプリも

 メディアプラットフォーム事業では、モンスターストライクが好調の間、M&Aや新サービスなど次の柱になる事業の立ち上げを図っている。特に、2015年3月に買収したフンザが提供する「チケットキャンプ」が大幅な伸びを示したほか、女性向けイケメンブックマークアプリ「Poiboy」が2016年1月のサービスインから累計で利用者が10万人を突破した。

 チケットキャンプでは、引き続きサービス強化を図るほか、興業側との連携を深め、興業全体の盛り上がりを支援していくとしている。また、転売対策をすすめ、業界全体で営利目的での転売業者の抑制に力を入れていく。また、プラットフォーマーとして主催者側への還元も視野に入れており、「SUMMER SONIC 2015」への協賛なども行っている。

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