ソフトバンクは3月30日、消費者参加型ものづくりプラットフォーム「+Style」を提供開始した。サービスの第1弾として、アイデアや試作中の製品29種類を4月下旬までに順次公開。
ものづくりを支援する取り組みとしては、昨今、オープンに資金を集め商品化するクラウドファンディングの利用が増えてきている。ソニーなどの大手企業でも自社でクラウドファンディングサイトを立ち上げ、新規事業開発などに活用する例が見られるようになった。
+Styleでは、クラウドファンディングに加え、アイデアや商品に対するユーザーからの意見を募り、企画に反映させる「プランニング」、+Style内での先行販売によるユーザーからのフィードバックをマーケティングなどに活用する「ショッピング」の要素を追加。また、ソフトバンクショップや量販店など、同社が持つ強力な流通網も活用する。
また、「ものづくりサポーターズ」として、DMM.make AKIBA、Foxconn、Intelなど複数の企業がパートナーとして参加。アイデア実現に必要な設計、パーツ、ソフトウェア、資金調達、量産技術などを支援する。こうした取り組みにより、ユーザーからのフィードバックをはじめ、企画、開発、量産、流通などトータルでサポートする。
+Styleは、オープンなものづくりプラットフォームとして展開。アイデアはあるが、量産、商品化にハードルのあるベンチャーのほか、大企業がすでに開発している商品に対して、ユーザーからの意見を得るためのツールとしても利用できる。海外メーカーが国内市場で展開するにあたり、ユーザーの意見を収集する使い方も可能だ。プラットフォーム自体は国内をターゲットにしているが、商品のグローバル展開も視野に入れている。
サービスの第1弾として、4月下旬までに順次公開される29種類の商品群には、天井照明用ソケットに取り付けることで家電などをリモート操作するソニーの「Multifunction Light」、アニメ作品「ガッチャマンクラウズ」に登場する「GALAX GG」をイメージした電気自動車などをラインアップ。ユーザーは、+Styleに登録をすることでコメントを投稿できる。
そのほか、デザインオフィス「nendo」と+Styleが共同で商品開発する、デザイン特化型のIoT商品開発プラットフォーム「DoT(Design of Things)」を開始。GLMが開発するEVプラットフォームを活用した、ドライバーの心理状態をヘッドライトで表現する電気自動車や、SOHOや小型オフィスでの利用を想定したデスクライト、3Dプリンター技術を活用した盆栽キットなどをリリースする予定だとしている。
ソフトバンクでサービスプラットフォーム戦略・開発本部担当部長を務める近藤正充氏は、「シリコンバレーで、数多くの新しいものが生まれる瞬間を見てきた。その経験を生かし、今回のプラットフォーム構想に至った」と述べた。また、「IoTと言えばまだガジェット系の製品が多いが、家具やファッションがIoT化していくと考えている。まだIoT化していない分野をIoT化するエンジンの役割になれば」としている。
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