Adobeが「Adobe Creative Cloud」のアップデートを差し替えた。同アップデートには、ユーザーの許可なく「Mac」で重要なファイルが削除されるという不具合があった。
オンラインデータストレージサービスを提供するBackblazeがこの不具合を発見した。Backblazeは、Adobe Creative Cloudをバージョン3.5.0.206にアップデートすると、ユーザーのファイルが削除されることを確認した。この不具合で、隠しルートフォルダ上の情報が削除されていた。
Backblazeはこの不具合について、「Adobe Creative Cloud(バージョン3.5.0.206)がインストールされているMacで、ドライブのルートにあるアルファベット順で最初の隠しフォルダのコンテンツが削除されるとみられる問題に遭遇した。偶然ではあるが、多くのBackblazeユーザーの内部ドライブで最初の隠しフォルダは.bzvolフォルダだ」と述べた。
Backblazeはさらに、削除される可能性があるのはBackblazeのファイルだけでなく、ルートディレクトリに格納されているどのファイルも削除される恐れがあると指摘した。Backblazeは、名称がアルファベット順で前方になり、Macディレクトリの先頭に配置されることからこの問題の影響を受ける可能性が高くなっていた。
Adobe Creative Cloudを自動的にアップデートするように設定していない、あるいはバージョン3.5.0.206を直ちにダウンロードしなかったユーザーはこの不具合の影響を受けない。またAdobeは、問題のパッチをダウンロード対象のリストから削除した。
Backblazeは、Macユーザーがファイルを復元するためのアドバイスを掲載している。つまり、システムバックアップを復元することである。
「フォルダが空になっている場合、ローカルバックアップまたはその他のバックアップシステムがあればそこからデータを復元できる可能性がある。そうでない場合は、Adobeに連絡を取り、この問題をサポートしてもらうとよいだろう」と同社はブログに記した。
Adobeはこの問題について、「米国時間2月12日に、Creative Cloud Desktopアプリケーションのアップデートで一部の顧客に問題が生じているとの通知を受けた。このアップデートの配信を停止し、この問題に対処する新しいアップデートを提供した」と述べた。
Adobeは、Backblazeからの通知を受けてすぐに問題のあるパッチを削除した。Adobeは現在、アップデートを発行済みで、ユーザーにはこれをインストールするよう促すメッセージが表示されているはずだと述べている。ユーザーは、Macや「Windows」にこれを直接ダウンロードしてインストールすることもできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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