以前も当連載でお伝えした通り、若年齢における不正アクセス禁止法違反での逮捕者は増加している。そこでは、「ハッキング=かっこいい」という価値観と、「ハッキングできる能力を世間に誇示したい」という自己顕示欲が共通していた。
今回紹介した例も、愉快犯や金銭目的など表向きの目的はさまざまだが、根源にあるのはやはり自己顕示欲と承認欲求だ。せっかくの知識や技術を正しく利用せず、安易に法を破る方向に動いてしまっている。
PCやスマートフォンを誰もが持つ時代となって久しい。調べればどんな情報も得ることができ、技術や知識を得ることも簡単だ。しかし、情報モラルやリテラシーが追いついていかなければ、せっかくの技術や知識が生かされず、他人に迷惑をかけるだけだ。
周囲の大人たちは、10代の若者たちに情報モラルを身に付けさせる必要があるだろう。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
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Twitter:@akiakatsuki
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