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マネーフォワード、2016年は“未来のお金”の課題解決--辻社長インタビュー - (page 2)

藤井涼 (編集部)2016年01月25日 14時08分
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 まず個人については、日本は貯蓄からの投資が進まないと言うじゃないですか。実はこれまでずっとデフレが続いていて、銀行に預けることが一番賢かったし、それが合理的だと思われていた。それが今後はインフレ、円安になっていく可能性が高く、貯金から投資に動かさないとドルベースで換算したときに自分の財産が減っていくので、いまはまさに潮目が変わるタイミングかなと思います。そういう意味では、資産運用のあるべき形が変わっていくでしょう。

 また、たとえば米国では個人はIFAで確定申告をするので、自分のお金に対する意識が高いのですが、日本は給料から天引きされるので自覚がない人が多いです。個人向けの資産運用サービスをやりたいときに、米国はIFAが寄り添ってくれますが、日本では中立的な立場でユーザーのそばに立ってアドバイスしてくれる人が少ないところは、構造的な違いがあるなと思います。それが日本の金融教育やリテラシーのマイナス要素になっていますが、今後は変えていけると思います。

 法人のFinTechサービスの導入については、一気には進まず時間はかかると思います。ただ、僕らもチャットワークやSlackなど、いろいろなクラウドサービスを活用していますが、やはりあれを使うのと使わないのとではコミュニケーションのスピードが圧倒的に違うので、企業の競争力にも大きく影響するでしょう。セキュリティの問題などはありますが、そういうものを使うことで会社の生産性や競争力をあげていくことは必須で、そこに疎い人や会社の競争力は落ちていくと思いますね。

--2016年をマネーフォワードにとって、どのような年にしたいですか。

 僕らのことを、FinTechのナンバーワンスタートアップと言っていただくことが増えたので、その名に恥じないように新しいサービスをどんどん提供していきたいですね。今の2本柱であるPFMとMFクラウドを皆さんにしっかり使っていただくサービスにしていくことに加えて、いろいろな金融サービスを付加していきたいと思います。

 1月には新たに札幌、名古屋、福岡にも拠点を設けたので、これからはより全国の方に使っていただき、その次は海外にも展開したいですね。今年になるか来年になるかは分かりませんが、僕はソニー出身なので、やはりグローバルな会社にしたいという思いがあります。

 海外展開にあたっては言語などの問題はありますが、特に重要なのは各国の規制とITの浸透度です。たとえば中国だと、PCではなく一気にスマホが普及したように、その地域ごとの環境と規制が大きなポイントになると思います。

海外展開も視野に入れていると辻氏
海外展開も視野に入れていると辻氏

--最後に、組織作りについて聞かせて下さい。この1年で社員も急増していると思うのですが、すべての社員が同じ方向を向くために、辻さんが伝えていることなどはありますか。

 社員数は、1年前は60人だったのですが今は派遣も含めて150人ほどいます。正月に全員に対して言ったのですが、2016年に注力するのはユーザーだけを見続けて、かつ期待を超えるということです。ユーザーの意見を聞いているだけだと想定内のものしか作れません。ユーザーがこれが欲しかったんだよという「WOW(ワオ)」を与える、期待値を超えるものをちゃんと作っていけば、そんなに儲からなくても会社はつぶれはしないだろうと思います(笑)。それが一番大切だし、社員には絶対に忘れてほしくないことですね。

 その上で我々は、グーグルのHow Google Worksのように、チームごとに権限委譲してスピーディに開発しているので、日々いろいろなプロダクトが生まれています。今では全然僕に意見を聞いてくれないんですけど、それでいいと思っています。リーダーは誰よりも顧客のことを考えていて、プロダクトのフィールドバックをもらって改善し続けていけばいいのです。マネーフォワードはそういう組織体だし、そういうカルチャーを伝えていきたいと思っています。

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