人工知能による入会審査制SNS「Lemon」を手がけるLIPは1月29日、Instagramユーザー同士をマッチングするiOSアプリ「nine」を公開した。“内面マッチング”をコンセプトとして、Instagramに投稿した9枚の画像がユーザーのプロフィールになり、個性や感性をもとに好みの合いそうな人を探せる仕組みを作った。基本利用は無料。アプリ内のテキストは英語だが、今後、日本語にも対応させる予定。Android版は2月上旬にリリースする予定だ。
nineを通じてInstagramでログインすると、過去1年間で「Like(いいね!)」の多かった写真9枚が自動的にコラージュされ、それが各ユーザーのプロフィール写真となる。「#fashion」「#pet」などのハッシュタグを付けて、自分の趣味や興味を示すことも可能だ。
他ユーザーをチェックする際の操作は、米国などで人気のマッチングアプリ「Tinder」と同様。画面に表示されたプロフィールを見て、「つながりたい」と思ったら右に、そうでなければ左にスワイプする。そして、お互いが右にスワイプした場合のみ、そのユーザーとメッセージをやり取りできるようになる。
LIP取締役副社長の関口舞氏は、「インターネットで人と人がつながるサービスは増えているが、顔などの容姿か、年収や身長などの条件で相手を選ぶものが多い。それよりも私は、男女を問わず、相手の雰囲気や人柄、趣味や価値観などの内面を起点として、感性の合う人をインターネットで直感的に見つけられる世界を作りたい」とnineに懸ける思いを語った。
LIPではnineの先行プロモーションとして、2015年12月23日から、InstagramのIDを入力することで2015年の中でLikeの多かった上位9枚の画像をコラージュするサービス「#2015bestnine」を展開した。
米国のニューヨークやロサンゼルスを中心に世界で話題となり、約7日間で1500万人以上がサービスを利用。米国大統領のバラク・オバマ氏の妻であるミシェル・オバマ氏、米大統領選に向けた共和党候補のドナルド・トランプ氏、FIFA、スヌーピーなどのアカウントもサービスを利用したという。
また、サービスサイトの下部に設置した、nineの事前登録フォームには13万件の申し込みがあったそうだ。
今後、まずは事前登録者数の多かったニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコを中心にマーケティングを実施しつつ、nineを全世界に展開する計画だ。
関口氏によれば、nineの収益モデルは広告と課金。まずは広告を掲載して、その後、有料のプレミアムプランを提供したい考えだ。
プレミアムプランでは、画面に表示されたユーザーの写真の閲覧数や「Like」の制限を無くすほか、自分の現在地と距離の近い人(50km以内)だけを表示する機能などが使えるようにする。料金は月額10ドルで検討中。機能は随時追加していく予定だという。
LIPは2014年11月、代表取締役社長の松村有祐氏と関口氏が共同で創業。サイバーエージェント・ベンチャーズ、ベンチャーユナイテッド、インキュベイトファンド、プライマルキャピタル、個人投資家から、4000万円を調達しているという。
関口氏はLIPの創業前にプールサイドという企業を立ち上げ、Facebookユーザーのフレンドリストを活用した、好きな人と両想いかどうかがわかるアプリ「one heart」を2014年4月にリリース。ニュースサイトやテレビ番組などで取り上げられて話題となり、iOSのApp Store カテゴリランキングで10位を獲得していた。同アプリは、FacebookのAPIのバージョン変更されてフレンドリストが取得できなくなったため、2015年5月に提供を終了した。
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