航空法の規制緩和特区・仙台市でドローン産業を振興

羽野三千世 (編集部)2015年12月01日 15時06分
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 宮城県仙台市で11月30日、行政関係者向けの「ドローン(無人飛行機)」活用セミナーが開催された。12月10日の航空法改正でドローンの飛行に対する規制が強化されるのを見越し、国家戦略特別区域(ソーシャル・イノベーション創生特区)であり規制緩和が認められる仙台市において、ドローンを活用した産業振興を促すことを目的としたものだ。


セミナー参加者に操作を指導するトライポッドワークス 代表取締役社長 佐々木賢一氏

 仙台市のソフト開発事業者トライポッドワークス 代表取締役社長の佐々木賢一氏、日本マイクロソフト 執行役員の西脇資哲氏らが企画した同イベントに、宮城県、仙台市、山形市、東北産業局から、農林水産、土木、観光、消防などの担当職員80人ほどが参加した。

 「ドローンは、GPS、カメラ、ジャイロセンサなどを搭載した“空飛ぶスマートフォン”。農林水産や土木における生産性向上、災害救助などさまざまな分野での活用可能性があるが、特に人手の足りない地方で役立つデバイスと言える。航空法改正で都市部での飛行に規制が強まる中、ドローンが飛ばせる地方での産業利用が期待されている」と佐々木氏。


仙台市民球場で行われたドローンデモフライトの様子

 西脇氏は、ドローン市場の現状について、「世界中を飛行しているドローンの6割は中国製だが、ここにきてソニーモバイルコミュニケーションズとZMPの合弁会社が開発した国産機種『AeroSense』が登場したほか、米Wired誌の編集長だったChris Anderson氏が創業した米DIY DRONESが『3D Robotics』をリリースした。日・米・中と、ドローンのハードウェアのプレーヤーが出そろい、いよいよそれをどう活用するかを考える段階に入った」と説明した。

仙台市民球場を貸し切ってデモフライト


仙台市 副市長 伊藤敬幹氏(左)にドローンの操作を教える日本マイクロソフト 執行役員 西脇資哲氏(右)

 「今後ドローンを活用した産業を興す上で、まずは行政の皆さんに新しいデバイスについて正しく理解してもらいたい」(佐々木氏)。同セミナーでは座学のあと、仙台市民球場を貸し切ってドローンのデモフライトと操作体験会が行われ、仙台市 副市長の伊藤敬幹氏や市の消防士らが、佐々木氏、西脇氏らの指導を受けながら実際にドローンを飛ばした。

 デモフライトでは、空撮サービス 代表取締役社長の山本哲男氏が、あらかじめ飛行ルートをプログラムした「DJI Spreading Wing S900」が、荷物を目的地まで自動配送したあと出発地点に自動帰着する様子を紹介した。現在、ドローンの制御には2.4GHz帯の周波数が使われているが、「山間地域でドローンを飛ばす場合、操作端末からドローンに電波が届かない。今後は、ドローンが地形を把握し、地形追従型で自律航行するソフトを開発していく」(山本氏)

 また、山本氏は「通信方式として携帯電話回線が利用できるとより実用的になる。電波法ではドローンがこの回線を使うことは認められていないため、国家戦略特区の仙台市で実証実験をしていく」と語った。


ドローンで空撮した仙台市民球場
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