ピクセラは10月28日、新規事業の1つとしてAR/VR事業に参入すると発表した。VRを活用した法人向けの360度映像配信サービスなどを開始するほか、4K動画を撮影できるSphericamの360度ビデオカメラ「Sphericam 2」を販売すると発表した。
ピクセラは1982年の創業以来、アプリケーションやハードウェアの開発などを手がけており、マルチOS、マルチデバイス対応の製品を数多く販売してきた。同社ではAR/VR事業のほかIoTや翻訳事業などへの参入も表明している。
AR/VR事業は、静止画像処理技術、動画、映像処理技術やサーバ技術など、時代の流れに合わせ新製品を開発してきたピクセラが、今後の市場拡大をにらみ参入するもの。2020年の市場規模は全世界で18兆円とも言われている。
事業全体としては、撮影ができる360度カメラから、編集ソフト、配信を行うコンテンツサーバ、再生プレーヤーなど、撮影から再生までの環境をトータルで提供する。「パノラマVR配信システム」として、雑誌やウェブサイトに掲載したQRコードから、360度コンテンツに誘導するシステムを構築するほか、360度映像をライブ配信する「パノラマVRライブ配信システム」などを用意。パノラマVRサービス用に最適化したオリジナルPC「パノラマVR PC」も提供予定だ。
ピクセラでは、不動産のカタログや旅行パンフレットなどと親和性が高いとしており、賃貸住宅での室内環境の確認や、旅行先などを疑似体験できるとのこと。ライブ配信システムでは、音楽ライブやスポーツ観戦などの視聴に最適としている。
スマートフォンやタブレットに専用アプリをインストールすることで視聴が可能。サービスの提供開始は2016年3月を予定しているが、2015年内にはパノラマ映像を無料で公開し、360度映像への理解を深めていきたいとしている。
同日には、360度撮影部分を担うSphericam 2の日本における販売契約を、米国に本社を置くSphericamと交わしたことも発表した。Sphericam 2は、6つのカメラと4つのマイクを内蔵した360度カメラで、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金を募ったことでも話題を集めた。
4K解像度で360度映像を撮影できることが特長で、データ容量を抑えられるH.265への変換もサーバサイドでサポートする(2016年中に実現予定)。現在量産モデルを開発している段階で、ピクセラでは2016年4~6月ごろの発売を予定している。
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