CNET Japanの編集記者が日々の取材や暮らしの中で気になったサービスやユニークなガジェット、驚きの技術、ウェブで話題のトピックなどを、独自の視点で紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。第32回は、主にゲームを中心としたエンターテイメント領域を取材している佐藤が担当する。
ディー・エヌ・エー(DeNA)が展開する、個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」が9月9日に提供を開始した。自動車を使わない間は使いたい人にシェアしたいオーナーと、必要な時に好みの自動車を使いたいドライバーをマッチングするサービスだ。
現在利用可能な車両は、東京都を中心に300台以上。国内外の乗用車をはじめとして、車好きなユーザーが乗ってみたいと思うような旧車やスポーツカーなどの車両もあるという。そのなかでひときわ目立つのが、俗に“痛車”と呼ばれるアニメなどのキャラクターを車両にデコレーションしたラッピングカーだ。実はAnycaでシェアできる車両に痛車が混じっており、「ハッカドール痛車」と呼ばれるものが存在する。
ハッカドールはアニメやゲームに特化したスマホ向けニュースアプリとして展開。ニュースサービスだけではなくキャラクターを活用し、10月からはテレビアニメも放送。そのキャラクターであるハッカドール1号、ハッカドール2号、ハッカドール3号をラッピングした車両が「ハッカドールM35ステージア250RX」として登録されている。しかもハッカドールチームの監修を受けた、ハッカドール公認痛車だ。
この車両の所有者であり、デザインやラッピングを手がけたのはスタジオアールデザイン東京のアール氏。同氏によれば、Anycaのサービス開始直後に利用希望者が現れ、早速シェアしたという。「泊まりがけで使う車を探していたようなのですが、たまたまAnycaでこの痛車を見つけてレンタカーよりも安いと。さらにアニメ好きでもあったようで希望されたようです。あとで感想を聞いたところ『めっちゃ見られた』と言ってました(笑)」(アール氏)。
デザイン面のこだわりとしては「かっこよさとかわいらしさの両方を出すことは意識してます。近未来感を醸し出すデザインにまとめつつ、車体にもカーボンシートを貼っています。あとはハッカドールに限らずですが、できるだけキャラクターは大きくすることと、顔が切れないようにすることです」(アール氏)。ちなみにラッピングの模様はメイキング動画として公開されている。
実際に車両を見てみると、ハッカドールたちがかなり大きく描かれている印象があり、写真で見るよりもインパクトは大きい。単純な平面の看板よりも存在感を増している印象がある。走行にも同乗させてもらったが、痛車に関しては昨今際立った物珍しさが薄れつつあるとはいえ、走行場所が都内近郊の住宅街とあってか、道行く人の多くは視線をこちらに向けていた。
少し余談になるが、後方の窓ガラスにハッカドール2号の顔がラッピングされているため、車内からはハッカドール2号がこちらを見つめているようにも見える。筆者は痛車の乗車は初めてだが、走行するにしても同乗するにしてもいろんな意味で注目の的になるであろうし、一風変わった乗車体験が味わえると思う。
現在のところAnycaに登録されている痛車はハッカドールともう1台、アニメ作品をテーマにした車両の2台。今後痛車の登録が増えるかどうか聞いてみたところ、「周りの痛車オーナーさんに話を聞くと、やはりその車が好きすぎるというぐらいに愛着を持っている方が多く、登録には二の足を踏んでいる方も多いのが実情です。ただ、なかにはキャラクターが好きな故に、多くの方に見てもらいたいと考えている方も一部いらっしゃるようです。もともと絶対数で言えば少数派な痛車がいきなり増えるということはないかもしれませんが、徐々に登録されていく可能性はあると思います」(アール氏)。
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