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腕輪型スマートトイ「Moff」がバンナムと提携--米国展開にも本腰

藤井涼 (編集部)2015年09月07日 12時00分
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 腕輪型のウェアラブルおもちゃ「Moff Band」を販売するMoffは9月7日、バンダイナムコエンターテイメント、ORSO、鎌田富久氏が代表を務めるTomyKや個人投資家などから総額1.6億円を調達したことを発表した。今後は、キャラクターとのコラボアプリや製品の開発などを目指す。


Moff代表取締役の高萩昭範氏

 Moff Bandは、腕に装着して振ったり叩いたりする動作をすると、その腕の動きを認識して、Bluetooth接続したスマートフォンからギターやドラム、電子銃、チャンバラなど、コミカルな音が鳴るウェアラブルおもちゃ。腕の動きだけで遊ぶことで、子どもの想像力を育むことを目的に作られたという。

 2014年秋から日米で一般販売を開始しており、日本ではビックカメラや蔦屋家電など一部の店舗などで購入できる。Amazonでの価格は5616円。販売台数は非公開だが、Amazon電子玩具カテゴリで国内最高1位、米国で最高2位にランクインした。10月からはカナダでも販売を始める。


 今後は蓄積されたMoff Bandの動作・姿勢認識技術やデータ解析技術を活用して、遊びや教育、フィットネス、リハビリといった、人のリアルな活動そのものをゲーム体験に変える「アクティブ・ゲーミフィケーション・プラットフォーム」を開発する。ユーザーの動作・活動データについて、人工知能・機械学習の手法を使った評価・解析なども進める。

 また、家庭用やモバイルなど幅広い分野でゲームコンテンツを持つバンダイナムコエンターテイメント、コンテンツ企画・開発力に定評のあるORSOとともに、さまざまなアプリや製品の開発を進めていく。詳細は未定としながらも、バンダイナムコが持つ豊富な作品やキャラクターとのコラボアプリなども展開したいと同社代表取締役の高萩昭範氏は話す。

 端末のセンサを使って、肩、ひじ、手首の動きを組み合わせるため、腕を使うモーションであれば何でも再現できる。Moffが提供しているアプリに収録しているモーションは60種類ほどだが、すでに1万を超えるモーションを開発しているという。これらのモーションを各社と共同開発するアプリなどに利用していきたい考えだ。

目指すのは米国に「根付く」会社

 高萩氏によれば、現在Moff Bandは日本での販売数が多いそうだが、「米国の大手小売チェーンからホリデーシーズン向けの大量発注があり、年末には米国が上回る予定」だという。日米の違いについても、メインユーザーが小さな子どもであることから、直感的なモーションが楽しめるMoff Bandは米国でも受け入れられているという。

 米国での認知拡大にあたっては、現地の展示会やトイカンファレンスなどに参加したことで、米国の玩具業界のキーパーソンなどの目に留まったことが大きかったと高萩氏は振り返る。ウェアラブル端末を使って、3Dで(腕の)位置を推定し、それをゲーム体験にまで落とし込んでいる製品は米国でも競合製品が少ないためだ。


 「アメリカに食い込むのは大変だった。卸売業者との契約や販路の拡大、現地にどのようなプレーヤーがいるかなど、最初は全然分からなかったが、1年かけてモノがちゃんと流れる仕組みをやっと構築できた。そこを学習できて、現地の人間が回してくれる体制ができたのは大きい」(高萩氏)。

 米国の大手小売チェーンでの取り扱いも始まっていることから、米国に拠点も設立する。現地のCEOには、AppleやAT&T、ACCESSなどで、事業開発やアライアンス分野の副社長を歴任したAlbert B. Chu氏が就任する。また、国内外での事業展開を加速させるために、調達した資金を使って積極的に人材を採用していくという。現在の従業員数は6人だが、2016年初旬には開発者だけでも10人規模に増やしたいとした。

 「できるだけアメリカ市場でも存在感を発揮して、現地に根付くような会社になりたい。いつからかアメリカのものをまねて日本でローカライズするタイムマシン経営が当たり前になっているが、僕はもともとバックグラウンドがメーカー(メルセデス・ベンツ)なので、どちらかというと乗り込むことが多い。昔のソニーや任天堂のような存在になるためにも、アメリカ法人を作って、現地のニーズやIoTの技術的なトレンドを押さえたい」(高萩氏)。

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