中国インターネット大手のテンセントホールディングスの決済サービスを展開するテンペイは7月10日、日本において中国人観光客を対象にした、スマートフォン決済サービス「WeChat Payment 」を本格的に導入することを発表した。日本での展開にあたってはネットスターズが代理店となり、同社子会社のウィ・ジャパンが導入店舗へのO2Oサービスを推進する。なお、中国以外での展開は、韓国に次ぎ2カ国目となる。
WeChat Paymentは、中国で約9億人を抱えるSNS「WeChat」の利用者向けに提供されている決済サービスで、2年間で3億ユーザーを超えるという。顧客は店頭での決済時にスマートフォンのWeChatアプリを立ち上げ、アプリ内でQRコードを表示する。店舗側はあらかじめ決済用アプリの入ったiPadのカメラ機能でQRコードを読み取り、支払いを確定する。QRコードの表示から支払いまでは数秒で完了するという。
顧客のスマートフォンには、決済時に店舗のWeChat公式アカウントをフォローするようにメッセージが表示される。公式アカウントでは、住所や連絡先などの基本情報のほか、クーポン情報なども配信できるため、店舗は顧客の帰国後もコミュニケーションをとり、再び日本に訪れた際の来店を促せる。テンペイでは、店舗に訪れた中国人旅行客にWi-Fi環境を提供する「WeChat WiFi」などのサービスも併せて提供するという。
同日の記者発表会で登壇したテンペイ 助理総経理の朱立強氏は、中国では20~30代を中心にモバイル決済の利用者が増加傾向にあると説明。日本政府観光局によれば、2014年には240万人の中国人観光客が日本を訪れている。東京オリンピックが開催される2020年にはさらにこの数が増えることが予想されることから、WeChat Paymentを通じて、観光客と店舗をつなげていきたいと意気込みを語った。
初期費用は端末代のみとなっており、すでにiPadを所有している店舗は無料で利用を開始できる。決済手数料は明かさなかったが、他社と競争力のある手数料率にしたいとしている。日本では、ジュエリーを製造販売しているサダマツのドゥミエール ビジュソフィア イオンモール沖縄ライカム店が導入1店舗目となる。また、コロワイドMDが運営する居酒屋・甘太郎 新宿歌舞伎町店への試験導入が決まっているとのこと。同社では3年間で1万箇所への導入を目指す。
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