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NTTcom、米Boxと業務提携--VPN向けオンラインストレージを共同開発

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 NTTコミュニケーションズ(NTTcom)は6月16日、オンラインストレージサービス「Box」を提供する米Boxと業務提携を締結したと発表した。NTTcomが提供する企業向けネットワーク(VPN)である「Arcstar Universal One」に対応したクラウドサービス「Box over VPN powered by NTT Communications」を共同開発し、2015年内にリリースする予定だという。


左から、Box日本法人代表取締役社長の古市克典氏、Box共同創立者のアーロン・レヴィ氏、NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長の庄司哲也氏、同社アプリケーション&コンテンツサービス部長の菅原英宗氏

 Boxが現在提供しているサービスはインターネット回線を通じてクラウドストレージにアクセスするものだが、今回開発を発表したBox over VPNはセキュアな閉域網から接続するもので、クラウドに保存した企業の業務データにインターネット回線を通ることなくアクセスすることができる。オープンなインターネット環境から切り離されたクラウドを提供することによって、企業の情報漏えいリスクを軽減し、セキュリティへの懸念からクラウドサービスの導入に抵抗があった企業にも導入しやすくするのが狙いだ。

 この点について、NTTコミュニケーションズ アプリケーション&コンテンツサービス部長の菅原英宗氏は、「インターネットを通じて提供されるクラウドサービスは高い利便性がある一方で、セキュリティ面で情報漏えいなどに対して不安があるという企業の声は多い。boxは高いセキュリティを備えたクラウドサービスとして世界的に企業ユーザーからも高い評価を得ているが、日本市場ではさらに高いセキュリティレベルが求められる。今回の提携はこのような課題を解決し、企業が求める厳しいセキュリティ要件を満たすことができるものと考えている」と説明。ユーザーサポートも24時間365日提供していくことで、企業が安心して利用できる環境を構築するという。


「Box over VPN」のサービスイメージ

強固なセキュリティが求められる日本市場

 また、NTTcomがArcstar Universal Oneで提供するクラウド型CRMサービス「Salesforce over VPN」などの他のVPN向けクラウドサービスや、企業が独自に構築しているオンプレミスの業務システムとの連携も可能で、ファイルストレージの容量を気にすることなくシステムのトータルコスト削減が期待できるとのこと。「インターネットを介さない堅牢な閉域網で様々なクラウドサービスや業務ソフトウェアを連携できることは、企業にとって大きな価値になるのではないか」(菅原氏)。

  • NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長の庄司哲也氏

 今回の提携について、NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長の庄司哲也氏は、「昨今さまざまなセキュリティの問題が生まれているなか、厳しいセキュリティポリシーを持つ企業が安心して利用できるサービスを提供したい」とコメント。また庄司氏は、同社がすでにSalesforceやAmazon Web Servicesなどと接続しVPN上でサービスを提供している点を挙げ、「グローバルで展開するパートナーシップ戦略を推進していくことで多様な価値を顧客に提供していきたい」と抱負を語った。

 一方、Box日本法人 代表取締役社長の古市克典氏は、ローカル環境とクラウド環境を同期させることでコンテンツが多くの共有ユーザーに拡散してセキュリティ上のリスクが発生してしまう同期型クラウドサービスとは異なり、Boxは原則的にローカル環境にデータを一切残すことなくストレージサービスを提供するというセキュリティ面での優位性を説明。利用状況の監視やユーザー権限の制限といった機能とともに、セキュアなクラウドサービスを提供することができるとした。その上で、「Boxのサービスにアクセスすれば強固セキュリティ環境が提供できるが、今回の協業によって、そこにアクセスするための回線をも強固な堅牢性を提供することができる」と期待を寄せた。

  • Box共同創立者のアーロン・レヴィ氏

 また、発表会のために来日した米国Box Inc.共同創業者 兼 CEOのアーロン・レヴィ氏は、今回の提携のポイントである情報セキュリティに対する考えについて、「クラウドはセキュリティに不安があるというイメージがあるが、そのような考えは誤りだ。革新的なテクノロジーはセキュリティを後付するのではなく、サービスそのものに最新のセキュリティを内包していなければならない」と同社の開発思想を説明。その上で、業務連携の効率化、ワークフローの効率化、コンテンツマネジメントのシームレス化など企業の生産性向上につながるクラウドサービスの価値をNTTcomの強固なセキュリティを備えたネットワークで提供できることに期待を語った。

 なおサービスは現在開発中で、2015年内に提供を開始するという。予定価格は、ベーシックな「Business」が無制限のストレージ、1ファイルあたり5Gバイトまで保存可能でユーザー1IDあたり月額2400円から。これに社外ユーザーライセンスの無償提供、他のSaaS連携ソリューションの無償提供、セキュリティログレポートの発行などを加えた「Enterprise」がユーザー1IDあたり月額4980円からとなる。

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