世界経済フォーラム(ダボス会議)が社会の課題を解決する若手リーダーの育成を目的に展開しているグローバルシェイパーズコミュニティ・東京ハブは、4月9日に記者会見を開き、タクシー大手の日本交通、タクシー配車アプリを展開しているヘイローと共同で、働きながら育児を行う女性の移動を支援するプロジェクト「はたらくママのための育児タクシー」を立ち上げると発表した。東京と大阪で4月15日からサービスを開始する。
このプロジェクトは、仕事と子育てを両立する女性が日常生活の移動手段として積極的にタクシーを活用してもらうことを目的に、スマートフォン用のタクシー配車アプリと連携して「ママタクシー認定ドライバー」が運転するタクシーを提供するというもの。配車には、東京エリアでは日本交通のタクシー配車アプリ、大阪ではヘイローのタクシー配車アプリ「Heilo」を利用する。
ママタクシードライバーの認定は、トランクサービスの徹底や適切な接客などを定めたガイドラインに基づいてトレーニングをしたドライバーを対象に行い、東京では日本交通のタクシードライバー全員(約4000人)が認定ドライバーとしてサービスを提供。大阪では、ヘイローがタクシー配車アプリで提携するタクシー会社のドライバーを対象にトレーニングし、サービスを提供する。利用料金(運賃、配車料金)は通常のタクシーと同様だが、プロジェクトでは特設サイトを通じて総計2000組に1500円分の割引クーポンを配布するという。
グローバルシェイパーズコミュニティ・東京ハブのメンバーで今回のプロジェクトの責任者を務める、ヘイロー代表取締役社長の梅澤亮氏は、「未就学児を育てながら働く女性は約300万人おり、忙しい中で時間を短縮したい、子どもを連れての移動時にさまざまな不安があるといった悩みを持っている。こうした課題に対して、働くママが利用しやすいタクシーサービスを提供したいという考えで、このプロジェクトを立ち上げた」と背景を説明。
また梅澤氏は、家事をしながらスマホアプリでタクシーを呼べる手軽さ、アプリを通じて乗車したタクシーの履歴確認やタクシーのリアルタイム位置情報を提供することによる安心感の提供、クレジットカード登録による自動決済やメールによる領収書の送信サービスなどの利便性といったメリットを紹介。「ドライバーをトレーニングすることで、子ども一人でも安心して乗車させられるサービスを提供する。育児をする女性が使いやすい移動手段を提供して育児の負担を軽減することで、日常の不安やストレスを解消することができれば」と抱負を述べた。
この一方、東京エリアでサービスを提供する日本交通代表取締役社長の川鍋一朗氏は、「少子高齢化によって便利な移動手段に対するニーズは高まっているにも関わらず、タクシーの利用は年々減少している。その背景には、運転手が(ママや高齢者といった)セグメントされた顧客のニーズに応えるサービスが提供できていないという課題があるのではないかと考えている。(プロジェクトを通じて)改めて乗客ニーズに応えるドライバーの育成を推進することで、タクシー業界にとっても大きなチャンスになるのではないか」と今回のプロジェクトに対して期待を述べた。
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