2月20日、「Netflix(ネットフリックス)」対応の液晶テレビ「REGZA J10」シリーズが発売された。2015年秋のサービスインに先駆け、リモコンにはNetflixボタンを装備。サービスが開始されれば、すぐにでも視聴できる環境が整った。サービス開始を前に対応ハードウェアが発売される映像配信サービスNetflixとは何か? 日本市場にどんな変化をもたらすのか? 気になるサービス内容と業界初対応のREGZA J10について、Netflix Vice President, Device Partner Eco-SystemのScott Mirer(スコット・マイアー)氏と、東芝ライフスタイルVS第一事業部地域第一部国内商品企画担当の本村裕史氏に聞いた。
Netflixは1997年に設立。1999年から宅配DVDサービスを手掛け、2007年にストリーミング配信事業をスタートした。米国以外の地域でもサービスを提供しており、2015年3月にはオーストラリアとニュージーランドに導入する予定だ。
2014年12月時点での会員数は5700万人。海外展開を開始した2010年以降、米国以外の国におけるビジネスの比重が高まっており、「2015年の日本でのサービススタートにより、海外比率はさらに高まってくるだろう」とマイアー氏は言う。
視聴デバイスは「スクリーンがついて、ネットにつながるありとあらゆるもの」(マイアー氏)としており、PCのほか、セットトップボックス(STB)、ゲーム機、スマートフォン、タブレットと多彩だ。その中でテレビは利用者が増えているデバイスの1つ。「3年前まではテレビと接続されているゲーム機が非常に重要な視聴デバイスだった。しかしここ最近はスマートテレビでの視聴時間が増えてきている。同様にPCでの視聴時間が減り、スマートフォン、タブレットの利用者が増加した」とマイアー氏は最近の動向を説明する。
テレビが視聴デバイスとして重要視される理由の1つはリモコンに設けられた「Netflixボタン」だ。「ボタン1つでアクセスできるのはとても便利。テレビのリモコンにこのボタンがつくことで、必ずサービスを使ってもらえると思っている」とマイアー氏は自信を見せる。事実、テレビがスタンバイモードのときにNetflixボタンを押すと、テレビが立ち上がる仕様になっており、アクセスのしやすさは抜群だ。
映像配信サービスでは、コンテンツの質と量が人気を大きく左右するが、Netflixはオリジナル製作というキラーコンテンツを持つ。人気映画やドラマを供給するだけでなく、自らコンテンツ製作も手掛けている。その代表格は日本でもすでに配信されている、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」。このほか4Kでの製作にも着手しており「4Kで製作した作品は秋のサービス開始時に日本でも配信する」(マイアー氏)という。
「オリジナルコンテンツを製作する際は、データを元に人気作品などを分析しているが、一番大事なのはクリエーターの想像力をいかした製作をすること。優れたディレクターに良いコンテンツを作ってもらうことを重視している。通常のドラマでは1話の尺が決まっているが、オリジナルコンテンツにおいてはそうした制限を設けていない」とマイアー氏は製作方針を説明した。
またマイアー氏は「日本でのサービススタート時においては、勉強して日本のコンテンツを取り入れていきたい。オリジナルコンテンツも作っていきたいし、また日本で調達したコンテンツを海外のユーザーに届けてもいきたい」と続けた。
Netflixでは、2015年に約300時間分のコンテンツをオリジナル製作で用意する予定。そのうち3分の1が4K解像度になるとしている。
東芝の本村氏は「Netflixに対応したJ10は、フルHD解像度中の『プレミアム2K』モデル。高画質テクノロジーに加え、東芝が最も得意とするネット環境を取り込んだ最新テクノロジーを搭載している。シンプル、リーズナブル、高画質の3点を満たしたJ10にNetflix対応という大きな特徴が付き、今後の動きがとても楽しみ。テレビはコンテンツがなければただの箱。Netflixをはじめ映像配信サービスは可能な限りケアしていきたい」と今後の展開について話した。
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