シャープは1月20日、2015年春商戦における営業戦略について説明会を開催した。3月に終了するCATVのデジアナ変換で地上波を視聴者していたユーザーに向け、買い求めやすい地上デジタルテレビを打ち出していくほか、2004年から2011年までに薄型テレビを購入した、買い替え層、置き換え層に”間違いのないテレビ選び"を訴求する。
薄型テレビの買い替えスパンは約8年と言われており、2004年から2007年度にテレビを購入したユーザーが対象になる。一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)によると、この4年間のテレビ出荷台数は約2350万台。春商戦ではここに照準を合わせ、買い替え需要を推進していくという。加えてシャープでは、2008年から2011年度を置き換えマーケットと位置付ける。ここは地上アナログ停波、エコポイントなどにより、テレビの需要が大きく膨らんだ時期。しかしその時の購入者が本当に自分が意図する画面サイズのテレビに買い換えられているとは限らず、大画面を訴求することで、需要を掘り起こせるとしている。
シャープのデジタル情報家電事業本部国内営業統轄である居石勘資氏は「サイドスピーカをなくし、厚みのあった額縁をスリムにすることで、同じスペースで一回り大きい画面サイズのテレビが置けるというのが今までの販売手法。これに加えて、高さを訴求することで、より大きな画面サイズのテレビを提案できる」と新たな「縦横無尽の画面サイズ選び」を提案する。
7~8年前の46V型の液晶テレビはアンダースピーカタイプで高さが853mmあり、52V型にインチアップしても高さが772mmに抑えられているため、大きく感じられないという。そこで高さを5cmアップさせた60V型を薦めることで、大画面の満足感が得られる。「縦サイズを少し大きくすることで画面サイズは46V型から60V型に、1.7倍大きくできる」とする。
店頭では、7~8年前の液晶テレビの実寸大のPOPを展示し、画面サイズの差をわかりやすく訴求。「サイズ選びを間違えないようにし、満足度の高いサイズをきちんを提案していきたい」とした。
一方デジアナ変換を利用しているユーザーに対しても、選びやすいスタンダードモデルをラインアップすることで、買い替えを打ち出していく。2月に発売する40V型の「LC-40H20」(想定税別価格:9万円前後)と32V型の「LC-32H20」(同:6万円前後)は、直下型LEDバックライトを搭載したシングルチューナモデル。この発売によりシャープでは19V型から40V型まで、5モデルのシングルチューナモデルをそろえる。
「メインテレビの買い替えは終わっていても、2台目、3台目のテレビは対応していないという人もいるはず。こうした部分をきちんとキャッチアップすることで、薄型テレビを切り開いたメーカーとしての責任を取って行きたい。4Kテレビも積極的に打ち出していくが、こうしたボリュームゾーンにもラインアップ展開をしっかりとしていく」とハイエンドからエントリー層まで手を抜かないモデル展開をアピールした。
足元の需要を固めつつ、シャープが「大きなトレンド」と捉えるのは4Kテレビだ。2017年には4Kテレビが2Kテレビの出荷台数を逆転するというJEITAの予想もある。居石氏は「4Kへの切り替えが早いという意見もあるが、テレビが目指しているのは人間の目そのものの表現力。テレビの主役がブラウン管から薄型テレビに変化したように、4Kテレビに必ず移り変わっていく」とした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス