テレビ番組を視聴する方法として、リアルタイムで見るほかに、デジタルレコーダーに録画した番組を見たり、パッケージ化されたコンテンツを見たりするなど、いまは多様な手段がある。さらに、新たな手段として注目したいのが「ビデオ・オン・デマンド(VOD)」での視聴だ。最近はテレビ局各局のVODが充実してきているので、どんな番組が見られるかチェックしてみよう。
年末年始はイベントが目白押しで、普段より忙しい人もいるかと思われるが、普段の喧騒から離れられる滅多にない機会でもある。ゆったりとテレビでも見ていたいところだが、限られた休みを有意義に過ごすには、時間を無駄にしないようにしたい。そこでオススメなのが「ビデオ・オン・デマンド(VOD)」。見逃していた話題の番組を一気見してしまえる上、視聴手段が豊富なのでさまざまな場所で楽しめる。
VODにも映画が豊富なところやアニメに特化したところなどいろいろあるが、今回はテレビの見逃し番組に着目し、テレビ局のVODをチェックしてみた。
まずはNHKの「NHKオンデマンド」。NHKは早くからVODに対応しており、完成度も高い。無料・有料に関わらず、視聴するには会員登録が必要だ。無料コンテンツは10分程度のPR的な番組から、本放送と同じフルバージョンが見られる番組までそろっている。配信期間が設定されているので、ずっと見られるわけではないが、逆に言えば無料コンテンツが定期的に変わるということでもある。
有料コンテンツは「見逃し番組」と「特選ライブラリー」の2種類。「見逃し番組」はテレビ放送の翌日から14日程度の期間、NHK総合、Eテレ、BS1、BSプレミアムの中から月々600本の番組が対象。単品と見放題パックがある。「特選ライブラリー」はNHKがこれまでに放送した番組から厳選されたコンテンツ約4000本が対象。こちらも単品と見放題パックがある。豊富なコンテンツは当然魅力的だが、BS2局の番組も見られるので、BSアンテナを持っていない人にはありがたい。
日本テレビは「Hulu」の日本事業を譲り受けており、「第2日本テレビ」など、早くからVODに取り組んでいるテレビ局だ。「日テレオンデマンド」は、会員にならなくても無料動画は視聴できるが、ほとんどが予告やPR番組となるため、しっかりと見るのであれば会員登録は必要。有料コンテンツは「1話ずつ購入」「見逃しパック」「全話パック」「複数話パック」「1試合ずつ購入」の5種類がある。これらを利用するにはポイントが必要で、月額ポイント契約が必要となる。
いつでも追加購入できるので、毎月コンスタントに使う予定がなければ、最低金額の月額300円コースがオススメだ。また、ポイント支払い以外に、直接月額料金を払う「月額課金コース」も用意。これは「アンパンマン」や「ジャイアンツLIVEストリーム」の全試合、「3分クッキング」の3つのコンテンツが見放題になるプランだ。小さい子どもがいる家庭や巨人ファンにはありがたいサービス。
テレビ朝日の「テレ朝動画」は基本的に無料動画の視聴のみなら会員登録はいらない。「バナナTV」や「芸人同棲」などネット配信専用のオリジナルコンテンツ充実。しかもこちらの2番組はは全話無料で見られる。
有料コンテンツは、メダルを購入し、番組ごとにメダルを消費するタイプと月額見放題パックの2種類がある。月額見放題パックは、ドラえもん、新日本プロレス、カーグラフィックTV、芸人同棲ファンクラブの4種類がある。見逃し番組に関しては番組単位でメダルを消費して見るしかない。
TBSの「TBSオンデマンド」はケータイやスマートフォンでしか、自社運営サイトがない。テレビやPCで見る場合は、Huluやテレビドガッチ、ひかりTV、YoutTubeなどのVODサービスから視聴することになる。スマートフォンやケータイで見る場合は、無料動画に関しては会員の登録は必要ない。
有料動画はポイント制の月額コースか、番組1話ごとの個別購入の2種類がある。現在、「TBSのオンデマンド無料見逃しキャンペーン」を実施しており、10月期に放送された連続ドラマ4番組とバラエティ「吉田類の酒場放浪記」「マツコの知らない世界」が、放送終了後から1週間無料で視聴できる。しかも、この6番組のみ、PCのサイトでそのまま視聴が可能だ。ほかの番組は有料、無料に関わらず、提携の配信サイトから視聴する形だ。その際、提携の配信サイトトップページに移動するので、またそこから見たい番組を検索しなくてはならない。
テレビ東京の「テレビ東京オンデマンド」は、テレビ東京のサイトの一部として組み込まれており、基本的にはVODサービスとの提携にて動画の配信をしている。配信番組の検索もできるが、番組を配信しているVODサービス一覧から選ぶことになる。TBSオンデマンドと同様に、配信サイトのトップページにリンクされている。
唯一オリジナルサービスとして、「BUSINESS ON DEMAND」というスマートフォン向けのアプリを展開。月額税別500円で「ワールドビジネスサテライト」「ニュースモーニングサテライト」「Mプラス」「L4YOU!プラス」「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」「未来世紀ジパング」の7番組とアプリ限定配信の「マネーの羅針盤」「戦士の逸品」「NEWSアンサー」「TXNニュース」の4番組の視聴ができる。アプリ限定配信は無料コンテンツなので、アプリをダウンロードすれば、月額料金を支払わなくても視聴可能だ。有料コンテンツは2012年10月からの過去300番組以上が対象になる。
フジテレビの「フジテレビオンデマンド」は、コンテンツの豊富さがトップクラス。例えばアニメは深夜アニメ枠「ノイタミナ」の過去作品はもちろん、「マジンガーZ」や「うる星やつら」など、名作も取りそろえている。無料動画は会員登録せずで視聴することが可能。有料動画は月額ポイントコースと月額見放題コースの2種類がある。
特にオススメなのが「月額見放題パスポート」と「ノイタミナ月額見放題」。月額見放題パスポートは、毎月10番組(80話前後)を何度でも見返すことができ、その内容は毎月変わる。ノイタミナ月額見放題は、フジテレビの深夜アニメ枠のノイタミナで放送された作品のすべてが視聴可能。しかも月額税抜350円と低価格。現在放送中の「サイコパス2」や「4月は君の嘘」の最新話も楽しめる。
各サービスとも、無料で視聴できるコンテンツはそこそこあり、楽しめる。テレビの補足として、録画もしていない見逃し番組が見られる最後の砦と考えるのであれば、対応している番組数が少なく、対応していないテレビ局もあるので、まだまだな印象。テレビ局単位より、横断的に視聴できる「Hulu」や「テレビドガッチ」などの方が使いやすい。
うまく使えば録画予約の煩わしさから解放され、見逃し番組をあとから見られる。スマホやタブレットでの視聴も可能なので、年末年始だけでなく、普段の通勤・通学の時間を有効活用できる。まずは休み中に試してみよう。
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