Amazon Web Services(AWS)が「Amazon Elastic Compue Cloud(EC2)」のメンテナンスを目的とした大規模な再起動を開始した。今回の再起動は全世界が対象となり、深刻なセキュリティ問題への対応のためと考えられている。
AmazonはEC2を利用する顧客に電子メールを送り、数日かけてすべてのアベイラビリティゾーンでさまざまなEC2インスタンスを再起動すること、またユーザーがこのプロセスを停止することはできないことを通知した。
Amazonはホストにパッチをあてたり、アップデートやメンテナンスを行うために、インスタンスを再起動することがある。だが今回は再起動の理由について顧客に説明しておらず、これにより顧客の間では、オープンソースのハイパーバイザ「Xen」で発見されたバグで、プレリリースされているがまだ公開されていないもの(XSA-108)を修正するためではないかとの憶測がささやかれている。
AWSのユーザーフォーラムをみると、今回のメンテナンスの影響を受ける可能性のあるサービスをモニタリングするにあたって、あまりにも警告が直前すぎるという懸念を表明するAWS利用者もいる。一方で、安全ではない状態でインスタンスを起動し続けるのではなく、ダウンタイムという代償を払って再起動するというAWSの判断を評価する意見も見られる。
ダウンタイムに対する懸念に対し、AWSサポートチームはフォーラムで、再起動はすべてのアベイラビリティゾーンを対象とするが、一斉ではなくずらして行われるためある程度の冗長性が確保されると回答している。EC2フリートインスタンスの一部にとって「セキュリティと運用のためのパッチであり、タイミング的にもよい」としており、今回の再起動のスケジュールを変更する予定はないと記している。
AWSのEC2フリート運用担当ディレクターのDoug Grismore氏は別の問題にも対応している。顧客は「自分たちのインスタンスすべて(30分前に起動したものであっても)について、近い将来計画されている再起動や以前計画されていた再起動の対象となっているのかをチェックする効果的な方法」が必要、という認識だ。
「皆さんがわれわれを信用してもらえるための便利なものをできるだけ早く届けられるよう作業をしているところだ」とGrismore氏は書いている。
AWSはブログで、影響を受けるのは少数の顧客であると述べたが、不便が生じることは認めている。
クラウドマネジメントを手がけるRightScaleの創業者Thorsten Von Eicken氏のブログによると、再起動は世界協定時間(OTC)とグリニッジ標準時(GMT)の9月26日午前2時に始まり、9月30日23時59分に終了するという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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