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トランスコスモスのASEAN戦略--アジア展開の“ハブ”になるタイの魅力とは - (page 2)

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アジアのオペレーションハブに適した環境が魅力

 長年タイのIT市場を見てきた同氏であるが、ここ1~2年の間にスタートアップ市場の盛り上がりを感じているという。日系だけでなくグローバルのVC(ベンチャーキャピタル)からの問合せが頻繁にあるほか、テクノロジ関連のカンファレンスが定期的に開催されているという。起業家が集うコワーキングスペースが増え、交流が盛んなこともそのことを象徴する出来事だ。

 海外の投資会社、もしくは投資家からすれば、タイはこれまで参入が難しい国だと思われてきた節があるそうだ。主要な言語が英語ではなくタイ語であることが第1の要因で、人口も約7000万人とマーケットとしては決して大きくないと見られてきたからだ。また、同国から海外への情報発信がこれまで乏しかったことも一因である。ゆえにタイのスタートアップ企業はこれまで、そのほとんどが通信や流通などローカルの事業会社からしか資金を調達できなかった。

  • コワーキングスペースのhabba

 そんな状況が変わり始めている。海外のVCなどが新興市場として東南アジアに注目し、同地域の金融ハブで英語圏のシンガポールや、人口約2億5000万人の巨大マーケットであるインドネシア、それと時期を同じくしてベトナムのめぼしいローカル企業などに投資してきた。その動きがここにきてタイにも波及してきているのだ。

 松尾氏がその理由として挙げるのは、東南アジアの周辺国と比較して、タイのオペレーションレベルが非常に高いこと。インフラが周辺国に比較して比較的進んでいること。また同国には自動車産業などを通じて古くから事業ノウハウの蓄積や必要な環境が整備されていることなどが、ここへ来て改めて見直されているという。

 政情不安など一定のリスクを抱えつつも製造業の裾野が大きいタイでは一定のレベルまでインフラが構築されているためサービス産業にとってはビジネスチャンスがありつつリスクが低いという特徴がある。そのため様々なトライアルのできるオペレーションの拠点を置く場所として適しているという。また、タイは英語圏とは異なる言語環境やユーザーや従業員のビヘイビアなど、日本と近しい点が多くあるため、日本人起業家にとって参入しやすくチャンスがあるそうだ。

 最後に、日本人起業家へのメッセージとして松尾氏は、「日本は古くからのビジネスノウハウの塊であり、アジアで圧倒的な優位性を保てる可能性を大いに秘めている。しかし、日本の会社としてここ(アジア)にチャレンジしていかなければ次の世代はないだろう」と語った。

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