米国家安全保障局(NSA)によるデジタルネットワークの監視活動に巻き込まれたインターネットユーザーは、その圧倒的多数がNSAの本来のターゲットではなかったとThe Washington Postが報じている。
NSAの元契約職員Edward Snowden氏が提供した通話記録を4カ月にわたって調査した結果、その記録に残っていたアカウント所有者の10人に9人が、「本来の監視対象ではないのに、NSAが他の何者かを捕らえるために仕掛けた罠にかかっていた」と同紙は伝えている。盗聴された16万件のメールやインスタントメッセージの会話記録の調査によって、本来の監視対象ではないこうした人々の多くが、米国民を含む一般のインターネットユーザーであることが分かったという。
盗聴記録のほぼ半分に、米国の市民または住民のものだとNSAが判断した人物の名前やメールなどの情報が含まれていた。NSAは6万5000件以上の資料について詳細を伏せているものの、The Washington Postによれば、900件近い資料が米国の市民または住民に関連している可能性のあることが、今回の調査で分かったという。
The Washington Postは、通話の内容について詳しくは記載していないが、その記録には「外国の極秘の原子力計画に関する最新情報、同盟国のふりをした二重取引、友好国ではない大国を襲った軍事的災害、米国のコンピューターネットワークへの侵入を積極的に試みている者たちの素性」などが含まれていたと報じている。
NSAの監視活動は、2002年にインドネシアのバリ島で起こった爆破テロ事件のUmar Patek容疑者など、複数のテロ容疑者の逮捕につながった。だが、分析担当者によって無用なものと判断された多くの記録は、のぞき趣味と思えるほどのもので、恋愛関係や不純な性的関係にまつわる会話、政治や宗教に関する会話、お金に関する心配事といった私的な内容などであったとThe Washington Postは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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