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ジョジョ初のスマホゲー「スターダストシューターズ」の舞台裏--開発陣が明かす“シビれる!”こだわり

藤井涼 (編集部)2014年05月08日 09時00分
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 3月19日に原作コミックス最新巻が発売、さらに4月から原作コミックス第3部にあたるアニメ第2期の放映も始まり、ますます盛り上がりを見せる人気アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」。同作初となるスマートフォンゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ」(ジョジョSS)が好調のようだ。3月10日のAndroidアプリの配信(iOSアプリは3月13日に配信)から約10日で早くも100万ダウンロードを突破。その勢いは衰えず、20日後には200万ダウンロードを超え、現在は300万ダウンロードを超えている。

  • 「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ」の公式サイト

    (c)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会 (c)NBGI

 ジョジョSSはジョジョの奇妙な冒険(ジョジョ)の第1~3部の登場キャラクタがユニットメダルとして登場するメダルシューティングアクションゲーム。自軍のユニットメダルを指で引っ張って弾き、敵のユニットにぶつけることで相手を攻撃する、いわゆる“おはじき”タイプのゲームだ。バトル中には、波紋攻撃やスタンド攻撃といったジョジョならではのスキルや、個々のキャラクターがTVアニメシリーズでも披露する必殺技を躍動感のある演出で楽しめる。

 ジョジョのゲームといえばPSソフト「ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産」やPS3ソフト「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」などが有名だが、これらはいずれも家庭用ゲーム機向け。ファンにとっては待望ともいえるスマートフォンゲームはどのような経緯で生まれたのか。開発を担当したバンダイナムコゲームスの新野範聰氏と、ドリコムの通称“カエルD”に聞いた。なお、ゲーム素材制作の一部はサイバーコネクトツーが担当している。


左からドリコムの通称“カエルD”とバンダイナムコゲームスの新野範聰氏

――ついにジョジョ初のスマホゲームが登場しました。早速、作品について聞きたいところですが、まずカエルDさんの名前の由来を教えてもらえますか……?

 カエルD:個人的に第1部でツェペリさんが叩くカエルが大好きなんです。波紋エネルギーを流した時の「メメタァ」の擬音、あれは凄いセンスだなと思って。なので、何とかしてジョジョSSでも使いたいと思って、キャラを成長させるアイテムの「強化カエル」として登場させました。

 新野氏:このゲームでカエルはかなりフィーチャーされてますよね。(特別イベントの)「神秘のカエル渓谷」って何だ?って思いましたけど(笑)。でも、おかげで皆さんカエルを意識しながらプレイされているのではないでしょうか。

――なるほど、それであんなにカエルがプッシュされているんですね。では気を取り直して、まず開発に至った経緯を教えてください。

  • バトル画面のイメージ

    (c)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会 (c)NBGI

 新野氏:2012年の冬ごろにさかのぼるのですが、(2013年8月29日に発売された)オールスターバトルを開発する中で、何かスマートフォン向けのアプリも作れないかと社内で議論していたんです。オールスターバトルは対戦格闘ゲームですし、ユーザーが操作できるキャラクタの数も限られます。そこで、多くの方がお持ちのスマートフォンというプラットフォームで、手軽にジョジョを楽しめて、すべてのキャラクタをユニットとして触れるゲームを作りたいと、コンシューマゲームとの対比で考えていました。

 ただ、なかなかジョジョに対するアツい情熱とアプリを運営する実績を兼ね備えた会社が見つからない状態だったのですが、ある時にドリコムさんをご紹介いただいたんです。実際にお会いしてみて、大変なジョジョ好きが沢山いることが分かり、ぜひ一緒に作りたいと我々の方からご相談させていただき、スターダストシューターズが生まれたという流れですね。

――ジョジョにはこだわりの強いファンも多いですが、開発にあたりプレッシャーはありませんでしたか。

 カエルD:もちろんありましたよ。ただ、それ以上に開発チームの熱量がハンパなくて。メンバーの作品に対する思い入れが強すぎて、それぞれがクローズアップしたいポイントが違うので、足並みをそろえながらもメンバーの主張を上手く融合させることにはすごく苦労しましたね。やはり、中途半端なものは出したくないですから。ちなみに開発チームでは、朝会の終わりの掛け声をジョジョのセリフにしています。飲み会での掛け声はもちろん「酒!飲まずにはいられないッ」ですよ(笑)。

 新野氏:演出や能力の表現という意味で、限界ギリギリまでやるべきではないかという考えがある一方で、スマホゲームとしてちょっと起動して、すぐにジョジョの世界に触れられる気軽さをどう両立するかは悩みましたね。また、ジョジョファンはコミックス派ですと30~40代が多いのですが、第1~2部のアニメ(2012年10月~2013年4月に放送)が非常に好評で、中高生や女性の間でもジョジョがメジャーになってきたこともあり、男女問わず広い年代でプレイできるものにしようと意識しました。

――その中でメダルを引っ張って弾く“おはじき”タイプのゲームにした理由は。

 カエルD:コンセプトとして、ユーザーがスタンドを“体験”できるようにしたいという思いがありました。スタンドってもう発明に近いくらい素晴らしい仕組みだと思うんです。ジョジョでは3部以降、このスタンド同士のさまざまな技の応酬がありますが、あれをただ見ているだけでなく実際に(プレイなどによって)体験できないかと考えたんです。

 新野氏:なぜメダルにしたのかと思われるかもしれませんが、これは完全にインスピレーションです。ゲームアプリで流行っているカードゲームタイプであれば能力などもすぐに実現できますが、やはり実際に触れて、その効果が体感できるゲームにするために、アクション要素を中心にしたゲームを作ることにしました。

――ゲームをプレイしていて感じたのが、キャラクタごとの特徴を捉えた技の演出です。誰もが知っているものから、思わずニヤリとしてしまうマニアックな演出まで用意されていて、全キャラをコンプリートしたくなりました。

 新野氏:開発の部分でいうと、ゲームの要素出しから最終的なバランス調整まで、ほぼドリコムさんにお願いしています。なので、外から見ていて「大丈夫かな」と不安だったのですが、「面白くなりますから安心してください」と言っていただきお任せすることにしました。ウチからもいろいろうるさく言われたと思うのですが、確信を持って開発されていたところが大きかったのではないでしょうか。

 カエルD:外から見たら当然そう感じると思います。いろいろ試行錯誤しすぎたところもあったので……。演出については、すべてのキャラで個別に必殺技やアビリティを用意しました。たとえば、アビリティはそのキャラクタが発したセリフなどが由来となっています。なので、遊んでいただきながら「このアビリティは、このシーンのこのセリフだったんだ」といった発見をしてほしいですね。

  • ジョセフのコマンドスキルでは、ストレイツォに向けてマシンガンをぶっ放すシーンを再現

    (c)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会 (c)NBGI

  • ディオが「空裂眼刺驚(スペース・リパー・スティンギー・アイズ)」を放つところ

    (c)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会 (c)NBGI

  • カーズの光の流法(モード)「輝彩滑刀(きさいかっとう)」

    (c)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会 (c)NBGI

 新野氏:いろいろな能力をもったキャラをあれだけ用意しながら、バトルを成立させるバランスに組み上げるのは本当に大変だったと思います。こだわりの演出を入れ込むことと、ゲームとして面白くなることはイコールではないので。

 カエルD:そうですね。あの仕組みはちょっと頑張りすぎたかなと思います。そもそも原作にはレベル別のスキルなんてものはないので、個別に作ったものをそれぞれ組み合わせながら1つずつチェックしてきました。ただ、開発メンバーのこだわりが強すぎて、タルカスやディオ、ワムウなど、原作での“強キャラ”たちの能力を、少し高くしすぎてしまったかもしれません。

――原作への愛が溢れてしまったんですね。ゲームをプレイしていて感じたもう1つの魅力が、ユニットメダルを自由に組み合わせて自分だけのドリームチームを作れることでした。ちなみに私は、ディオ、ワムウ、ホル・ホースという悪役キャラだけで構成しています。

  • 悪役キャラのみといった自分だけのドリームチームを作れる

    (c)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会 (c)NBGI

 カエルD:そうですね。やはり人によって思い入れのあるキャラが全然違いますので、ある程度自分で自由な配置ができて、原作の縛りを越えてチームを組めるようにしたいと考えました。たとえば承太郎とディオがタッグを組むとか、奇妙な達成感を味わえますよね。

 新野氏:ジョジョSSでは、単純にクエストをクリアするのではなく、いかにユーザーが能力を楽しめるかに重点を置いて作っています。それぞれのキャラの能力を組み合わせて有利に戦う方法を考えてプレイすることで、高難易度のクエストでも楽にクリアできるようになっています。必ず答えが用意されていますので、ぜひパワーゲームではなく頭脳戦で、ジョジョらしく戦っていただきたいですね。

――敵の弱点を見抜いて勝利する。まさにジョジョのスタンド戦の醍醐味ですね。細かいですけど、キャラごとにプロフィール情報が確認できるのも嬉しかったです。

 カエルD:このゲームで初めてジョジョに触れた方もいると思いますので、プロフィールやスタンド情報は必要ですよね。ちなみに小ネタも仕込んでいて、ユーザーの間で割と知られているものだと、ガチャの画面に表示されているテレビのチャンネルを変え続けると、ディオの「きさま!見ているなッ!」が現れます。そのほかにもいくつか隠し要素があるのでぜひ探してみてほしいですね。

――ところでゲームの開発期間はどれくらいなのでしょう。

 カエルD:2013年4月の中頃から企画をスタートして、実際に開発へアサインしたのは5月ごろですね。もう少し早く公開するつもりだったんですが、もろもろ調整がありまして3月になってしまいました。

 新野氏:すっかり忘れていましたけど、そんなに早かったんでしたっけ?無茶苦茶なスケジュールですね(笑)。

――そうすると、2013年10月に同じく“おはじき”タイプの「モンスターストライク」がリリースされましたが、この時はどう思いましたか。

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