Mozillaによると、ウェブゲームをネイティブコードのようなスピードで実行するという目標は、Epicの新しい「Unreal Engine 4」のおかげで大きく近づいたいう。
サンフランシスコで米国時間3月17日から開催される毎年恒例のGame Developers Conference(GDC)を前に、MozillaとEpicの共同プロジェクトが、プラグインなしの「Firefox」を使ってウェブ上で稼働するUnreal Engine 4のデモを行った。12日に公開された、Epicのゲーム「Soul」と「Ninja Swing」のデモでは、プラグインなしにブラウザ上でゲームがネイティブコードに近いスピードで実行されており、この12カ月間に目覚ましい進歩があったことがわかる。
ブラウザでの実行速度の向上は2013年に発表されていたもので、JavaScriptのコードを最適化する「asm.js」と、JavaScriptコンパイラ「Emscripten」のおかげで実現した。
Mozillaは、asm.jsの処理速度向上が著しいと強調している。1年前に発表された時、asm.jsの処理速度は「通常の」JavaScriptの2倍だったが、ネイティブコードと比べると約40%でしかなかった。それが、この1年間の努力によって、ネイティブコードのおよそ3分の2にまで向上した。
Mozillaの最高技術責任者(CTO)でJavaScriptの生みの親でもあるBrendan Eich氏は声明で、この技術によってブラウザベースのゲームは、ダウンロードが必要なゲームと「ほとんど見分けがつかない」までになった、と述べている。
「開発者は、Emscriptenを使ってCとC++をasm.jsにクロスコンパイルすることで、自分のゲームをネイティブに近いスピードで実行できる。つまり、ウェブに対してもほかのプラットフォームと同じようにアプローチできる」と、Eich氏は語る。
NomNom GamesのCTOであるJeremy Stieglitz氏は、asm.jsの真価を試す場として当然想定されるのがゲームだと述べた。
Epicの広報担当者は声明で、「Unreal Engine 4は次世代のゲーム向けに構築し直された。オブジェクト指向の独自のUnrealScriptコードを取り除き、純粋なC++によるエンジンをクリーンで拡張可能なコードで構築した」と述べ、「開発者が利用する統合システムとツールの大部分は元のままで改良しているので、Unreal Engine 3を使った経験のある人たちにとっては、なおも使い慣れた開発環境のはずだ」としている。
Stieglitz氏によると、ウェブベースのゲームはダウンロード時間がかからないだけでなく、新しいゲームが口コミで広がりやすく、少なくとも容易に新しいプレーヤーを獲得できるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」