クレジットカードのハッキングやデータ盗難、IDの不正利用が増え続ける中で、さまざまなクレジットカード会社はセキュリティのさらなる強化に向けた方策を練っている。
そのような中、MasterCardはバルセロナで現地時間2月25日、モバイル技術を手がけるSyniverse Technologiesとの提携を発表した。その狙いは、不正なユーザーが盗んだカードを使って買い物をすることをさらに困難にすることにある。クレジットカードのセキュリティ強化に向けて取り組むこと自体に目新しさはないものの、MasterCardの最新の計画は、ユーザーが海外旅行中にスマートフォンの位置情報を利用する点に違いがある。
これは、ユーザーのクレジットカードがスマートフォンの近くにない限り、そのカードを使えなくするという仕組みだ。例えば、ある人がメキシコを旅行しているときに、その人のカードがカナダで読み取り機に通されたと疑われる場合、その決済は拒否されるようになる。
また、銀行に旅行の予定を知らせないまま外国に行き、その国でクレジットカードを使おうとすると、利用できないことも多い。スマートフォンの位置情報を使ったMasterCardの機能は、この問題も解決してくれるだろう。
さらに、MasterCardでは、セキュリティを高めるだけでなく、海外旅行者向けにプリペイド式のデータパッケージを提供し、高額なローミング料金を支払うことなくスマートフォンのGPSを使えるようにする計画だという。
「世界的な大手ハイテク企業である両社の提携は、全く新しい可能性を利用者にもたらし、シームレスな決済とモバイル体験を可能にする」と、MasterCardで世界規模の戦略的提携を指揮するHany Fam氏は声明の中で述べている。「当社のグローバルネットワークが持つスピードと高度な機能を活用し、これを位置情報ソリューションと組み合わせることで、世界中のどこでも、ユーザーが携帯電話を持ち歩いている場所で、MasterCardにしかない機能が利用可能になる」
今のところ、このスマートフォンによるセキュリティ強化計画は試験段階にあるが、本格展開された場合には、オプトインサービスとなる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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