カクテルを作るには注入、計量、ブレンド、ミックスの作業が伴う。だが時にはグラスに氷をいっぱい入れて、ドリンクメニューをスクロールし、ボタンを押せば出来上がる場合だってある。
人工知能(AI)を搭載したロボットバーテンダー「Monsieur」は、おしゃれなミニ冷蔵庫といった外観だ。開発したのは、Monsieurの共同創設者で最高経営責任者(CEO)のBarry Givens氏だ。Givens氏は大学卒業後、お酒に対する味覚が洗練されていくにつれて、常においしいカクテルを見つけるのに苦労していた。そこで同氏は、まさに機械技術者がするようにして、それを解決してくれるロボットを作り上げたのだ。
Monsieurは、インターフェースに「Android」搭載タブレットを使用し、利用者はそこから豊富なドリンクメニューを参照してオーダーすることが可能だ。また、ドリンクのオーダーはAndroidアプリや「iOS」アプリからも可能になっている。
マシンの機械的制御もこのタブレットで行う。
Givens氏によると、「使用しているのは蠕動(ぜんどう)ポンプ」だという。「定量ポンプを内蔵しており、ミリリットルの精度で注入が可能になっている。また、超音波センサを用いてカップが定位置に置かれているかどうかを検知する。カップが定位置になければ注がれない。冷却部には熱電冷却器を使用している」(Givens氏)
だが、Monsieurを一線を画すものにしているのは人工知能だとGivens氏は述べている。
「このロボットバーテンダーは実際に利用者自身とその人の生活習慣を学習する。学習するのは利用者の好みやお気に入りのスポーツチームであったり、仕事からいつ帰宅するかといったことだ。これらは、これまで他のロボットバーテンダーが実現できなかったことだ」(Givens氏)
一例を挙げると、例えば利用者の仕事からの帰宅時間が毎日午後5時だとすると、自宅のWi-Fiに接続するMonsieurがその利用者がいつ帰宅したかを検知し、これをパターン化する。遅くまで仕事をして帰宅が午後9時半になった日には、Monsieurが帰宅時間が遅いことを検知し、一日中仕事をしたということでお酒をシングルではなくダブルにすることを提案してくれる。
Monsieurは、家庭用および商用向けにいくつかのサイズが用意されている。一番小さいものはお酒のボトルを4本まで収容でき、最も大きいものは16本まで収容できる。価格は1500ドルから4000ドルだ。
Givens氏によると、同社はMonsieurをバーテンダーがいないであろうアリーナ施設やナイトクラブ、ホテル、一般家庭といった場所に設置することに注力しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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