話題は「働き方」について移った。ネット環境の充実やクラウドソーシングの利用など、グローバルな動きの中で個人や企業はどのように働いていくか、どのようにビジネスを作っていくかが問われる社会となる。
伊藤氏は、クラウドファンディングの動きが米国でも大きな軸になっていると語る。「Kickstarterで数億ドル額を集めるなど、もはやエコシステムの基盤になっている。商品の発注バランスが分かるなど、コストパフォーマンスも良い。小さいメーカーが生きる環境になった」(伊藤氏)
さらに、グローバル環境とクラウドファンディングによって、投資のあり方も変化しているという。「これまでは、事前に投資家から資金を集め、1から開発、製造し、発注することのハードルは高かった。しかし、クラウドファンディングで事前の見積もりと顧客のニーズがつかめるからこそ、投資家もスタートアップへの投資が判断できる。投資の方法や基準が変化してきている」(伊藤氏)
川上氏は自身のプレゼンテーションの中で、現在の国家単位の法整備と、ネットを通じたグローバルプラットホームにズレが生じていると指摘。国家とインターネットの利害を考えた新しい視点について説いていたが、この話を踏まえて、法律をはじめとしたこれからの“仕組み作り”について言及した。「個人のテリトリー問題もでてくる。国家というプレーヤーと、グローバルプレーヤーという動きの中、法規制をどのようにしていくかを考えなければいけない。どうあるべきかではなく、どうなっていくか、をもっと議論していかなくては」(川上氏)
川上氏はルールチェンジの動きの過渡期であると続ける。「ルールは変えるもの。同時に、ゲーマーという一個人として、現実の国家の不具合が許せない。ルールを変えて、もっと円滑な国にしていきたい」(川上氏)
プログラマーのまつもと氏は、これからの時代だからこそ、プログラミングが重要だと語る。「社会は、もともとコントロールできないものが多い。しかし、プログラミングは自分の好きなようにコントロールできる。プログラミングは1つのデザインであり、ルールを作る手段だ。少しでも多くの人たちが、プログラミングのように自分でルールを変えていき、少しでも良い社会、良い環境を作れるということを伝えていくことが必要」(まつもと氏)
伊藤氏は、リテラシーの定義の中にプログラミングができることを入れるべきでは、と語る。「MITは、『プログラミングができること』を最低条件にしている。単純労働や答えが決まっているものは機械に任せて、人間はもっと創造的な働きをしていくべきだ。コンシューマーからプロデューサーにならないといけない」(伊藤氏)
どのようなルールが必要で、またそれをどう作っていくか。また、そうした発想を持てるためにどうしていくべきか。3者とも、プログラミングの必然性と能動的な社会への参加がこれから必要と語った。
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