ヌーラボは6月4日、ドローツール「Cacoo(カクー)」を外部アプリケーションに組み込んで利用できる「Cacoo SDK エディション」の提供を開始した。
Cacooはウェブブラウザ上でサイトマップやワイヤーフレーム、UML図などを作成しできるドローツール。他のユーザーと図形を共有して作業することもできる。現在のユーザー数は84万人。国内ユーザーは全体の16%で、残り84%は米国や台湾、欧州圏などの海外ユーザーとなっている。フリーミアムモデルとなっており、基本無料で利用できる。個人向け有料プランは月額480円、法人向けプランは月額2480円から。
今回提供を開始したCacoo SDK エディションは、ユーザーが独自のアプリケーションにCacooの機能を組み込めるパッケージ製品。Cacoo APIを利用して、図形の作成や編集、XMLでの構造取得などを実現。共同編集にも対応する。また、Cacooのアカウントとは無関係に、組み込むアプリケーションのユーザー管理や権限管理をもとに図へのアクセスを制御できる。ユーザー数の上限設定や追加料金などもない。
これまで、ユーザーの要望に合わせてカスタマイズしたCacooを提供したこともあるというヌーラボ。「Cacooを自社のアプリケーションに組み込んでエディタとして利用したい」というユーザーの声に応える形でSDK エディションを提供するに至った。
SDK エディションの導入第1弾の事例となるのは、クリエイターズマッチの提供するバナー制作管理システム「ADFlow(アドフロー)」だ。
ADFlowは、バナー制作の依頼から入稿、データの管理までを提供するサービス。素材の管理や制作の進捗、制作物の共有といった業務を一元化し、制作期間の短縮を図っている。今回、ADFlowの「修正指示だし機能」として、Cacooの図版作成、編集機能を実装した。
これを利用して、バナーの色や大きさ、形を柔軟に変更できるテキストや、ステンシル(吹き出しや矢印などの図形)を用いた図版の描画や編集が可能となった。修正に伴うサンプル画像の取り込み機能のほか、指示を出したい複数のバナー広告を一括して取り込み、1画面にまとめて修正指示を入力、作成できる機能も実装した。
また同社はSDK エディションの提供に先駆けて3月末でこれまで手掛けてきた受託事業を終了。Cacooやプロジェクト管理ツールの「Backlog」など自社サービスの開発に注力している。
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