ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。
モバイル広告は、フィーチャーフォン主流の時代からサイトへの有力な導線として活用されてきたが、スマートフォン上でも様々な手法で展開されている。従来のウェブサイト広告に加え、アドネットワークやリワード広告といったアプリ内広告が登場するなど、広告手法は多様化しているが、モバイル広告に対してスマートフォンユーザーがどういった反応をしているのか、またどのような広告に興味があるのかなど、スマートフォンユーザーのモバイル広告に対する利用や意識について、独自調査データを元に分析したい。
まず、モバイル広告を意識的にクリックしたことのあるユーザーにおいて、遷移先サイトへの登録や、アプリや商品購入経験の有無を見ると、約半数のユーザーが経験ありと回答した。サイト登録やアプリ・商品購入へと繋がった広告の内容はどのようなものかというと、「GREE、mobage、mixiなどのSNSサイトTOP画面最上部に表示されるバナー広告」が最も多く、20代以下のユーザーに目立っている。続いて高かったのが「キャリアから送られてくるメールマガジン(メッセージRなど)上に記載されている広告」で、通信キャリアからのメールマガジンに一定の効果があることがうかがえる(図1)。
では、広告から登録したサイトやアプリの利用期間はどの程度なのか。回答結果を見ると、「1カ月程度利用した/している」が最も多く、続いて「2~3カ月程度利用した/している」「すぐに解約した」が同数となっている。ここで注目したいのは、性別による違いである。「1カ月程度利用した/している」では女性が多く、一方で「2~3カ月程度利用した/している」では男性が多い結果となっており、女性の方が継続利用日数は短く、2カ月目以降の月額料金に対して厳しいという傾向が感じられる。一方、この調査結果において、「それ以上(1年以上)利用した/している」と回答したユーザーも15%存在することは注目である。一度試してみて、気に入ったサイト・アプリであれば、長期継続利用するユーザーも少なからず存在することが示されている(図2)。
次に、モバイル広告を意識的にクリックした理由を見ると、「自分が興味のある内容が表示されていたから」が約9割を占めていた。広告をクリックさせるには、ユーザー自身の興味を惹くことが前提条件と言えるだろう。また、「サイトやアプリ上で使えるポイントがもらえるといった記載があったから」「無料、○%OFFなどお得な内容が表示されていたから」が共に約25%の回答を得ており、メリットが直接伝わるような内容の広告がクリックされやすいことがわかる(図3)。
さらに、クリックしたいと思える広告内容に注目すると、「画像が使われており、サービス内容が良く分かる広告」が最も多く、特に60代以上の高年齢層では半数を占めている。次いで「見ているサイト・アプリの内容と関連した内容の広告」への回答も多く、こちらは10~30代といった比較的若い層に支持されている。これらの結果から、サービス内容が良く分からなかったり、全く関連性の無い広告が表示されている場合などには、クリックされにくい傾向があると想定される(図4)。
今回の調査では、スマートフォン上のモバイル広告において、属性によって利用や意識に違いがあることが見受けられた。スマートフォンで利用するサービスが属性によって違うのと同様に、利用される広告も属性によって異なると言える。またスマートフォンの本格普及に伴い、アプリ内広告など新たな種類の広告も増えたことから、出稿先に頭を悩ませている広告主も多いと思われる。今一度、自社サービスのターゲット層がスマートフォンをどのように利用しているかを認識し、ターゲット層に対して効果が高いと想定される種類の広告やその内容、出稿先などを適切に選択したいところである。
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