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「LINEを大きな商店街に」--NHNが掲げるインフラ化構想

藤井涼 (編集部)2012年11月19日 11時00分
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 2012年中の“1億ユーザー達成”を目標に掲げる無料通話・メールサービス「LINE」。世界におけるユーザー数は11月16日時点で7500万を突破し、国内でも約3500万ユーザーに利用されている。急成長を続けるLINEだが、今後はオンライン上で第三者のコンテンツを配信したり、ファンコミュニティを構築する“プラットフォーム化”を経て、オフラインも含めた産業全体をカバーする“インフラ化”への道を歩む。

目指すのは“より大きなエコシステム”

  • 7月にLINEのプラットフォーム化を発表

 NHN Japanは7月にLINEのプラットフォーム化を宣言。LINEでつながっている友人や知人同士で、ゲームや占い、クーポンなどのサービスを利用できる「LINE Channel」を発表した。プラットフォーム化することで外部パートナーのコンテンツをLINE上で展開、スマートフォンにおける新たなエコシステムを構築すると説明していたが、実際にいずれのサービスも期待以上の結果が得られているという。

 そこでLINEが次に目指すのが“より大きなエコシステム”だ。NHN Japan 執行役員の舛田淳氏は、今後はプラットフォームやサービス内で完結するのではなく、LINEとさまざまな産業を組み合わせることで新たな産業を創出したり、低成長で苦しむ産業を盛り上げていきたいと語る。

  • NHN Japan 執行役員の舛田淳氏

 「単純にLINEとアプリをつなぐだけのエコシステムではなく、もう少し広い範囲で我々のポジションを築いた方がいいのではないかと思っている。世界で7000万人を超えたタイミングであれば、私たちのイメージ通り展開できると考えており、段階的にいくつかの施策を展開したい」(舛田氏)

インフラ化に向けた3つの施策

 インフラ化に向けて、具体的には(1)ビジネスアカウント「LINE@」の提供、(2)「LINEで送る」ボタンの公開、(3)「LINEサポーターズ」の設立という3つの施策を展開する。

 今回の施策の中核を担うのが、中小企業向けに新たに提供するビジネスアカウント「LINE@(ラインアット)」だ。月額5250円という低価格でLINEをマーケティングに活用できるプランで、1万人以下のユーザーにメッセージやクーポン、キャンペーン情報などを一斉配信できる。12月上旬からエントリーを募集し、同社が審査した後で開設となる。

 LINEは6月から、企業がユーザー向けにクーポンや最新情報を配信できる「公式アカウント」を提供しており、現在は約30社が開設しているという。ユーザーによる利用頻度も高く、たとえば6月に参加したローソンのアカウントはすでに400万人が登録、1度クーポンを配信すると10万人以上が店舗に足を運ぶこともあるそうだ。舛田氏も「公式アカウントはO2O(Online to Offline)サービスとしては唯一といえるほどの成功事例なのではないか」と評価する。

  • 「ビジネスアカウント『LINE@』」の利用イメージ

 一方で、公式アカウントは初期費用が200万円、月額150万円からという価格設定であるため、中小企業や個人店舗にとっては敷居が高かった。そこで幅広いニーズに応えるため、低価格で参加できるビジネスアカウントを追加で提供することにしたという。

 ただし、ビジネスアカウントはLINEの公式アカウントのリストには表示されないため、LINE上で直接集客できるわけではない。アカウントごとに発行されるIDやQRコードを、ユーザーがLINE上で検索し登録すると、そのアカウントのクーポンや最新情報が得られる仕組みだ。利用シーンとしては、店内のPOPなどでQRコードやIDを知らせて、既存客との関係性を強めたり、自社のウェブサイトなどで紹介して新規顧客を獲得するイメージだ。

 将来的には全国の小売店やブランドが1店舗1アカウントを開設し、来店者にあらゆる店舗で使える共通ポイントを発行するような、巨大なエコシステムを構築していきたいと舛田氏は語る。「LINEを大きな商店街だととらえていただき、その中でクーポンを使ったユーザーにマイレージを発行したり、貯まったマイレージでスタンプをプレゼントしたりと、さまざまな連携をさせていきたい」(舛田氏)

キャプション O2Oサービス展開のイメージ
※クリックすると拡大画像が見られます

 ビジネスアカウントは、店舗やホテルなど各地に拠点を持つ企業向けの「ローカルアカウント」、テレビやラジオなどメディア企業向けの「メディアアカウント」、地方自治体など公共団体向けの「パブリックアカウント」の3タイプを用意する。パブリックアカウントについては無料で提供する。O2Oプラットフォーム化を目指す施策であるため、ECサイトなどのオンラインサービス向けには当面提供しないという。

 「我々がオフラインとオンラインの接点になって新たなエコシステムを作っていきたい。O2Oは各社がトライしながらも苦戦している領域だが、国内でも3000万人を超えたタイミングでぜひチャレンジしてみたい。もし、これがうまくいけば、既存のビジネス構造を変えられるのではないか」(舛田氏)

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