松山:よいサービスを持っていながら人的なネットワークを持っていない方、地方で活躍の場を探しているような方などにチャンスを提供したいと考えています。
衛藤:インドネシアはシードを支援するには国としてまだ早いのかな、という印象がありました。そもそもメンターになり得る方がいない。インドネシアにはまだ成功している人が少ないんです。ただ、集まってくるサービスには質のいいものもありました。選考した基準については、インドネシアで成功しそうな事例というのを選んでいました。1回目が終わって、2回目の開催は現在検討中です。
衛藤:まず、私がミクシィに携わっていた2004年当時と比べて、絶対的なサービスの質やユーザー数は比較できないぐらい大きいです。これはFacebookなどのプラットフォームの存在も大きく関係しているでしょう。また、若い人たちがネットで起業するという機運が生まれつつあります。少なくとも自分たちが(East Venturesを)始めた2年前に比べると大きく増えました。
そもそもインドネシアではネット専業で上場を果たしている企業はありません。日本の1990年代後半の状況に似ているのかもしれませんね。ここから5年、10年で発展するでしょう。衛藤:成功者は必ず出ます。90年代の日本で「もう市場は成熟している、新たな成功者は出るのか」と質問されたことがありました。しかし、その時代ごとにやはり成功するサービスは出てきました。
一方で認識しなければならないのが、日本というマーケットの規模が小さくなりつつあるという事実です。技術革新が進み、国内で大きく成功しても、その後をどうするのか。これまでの日本は産業と人口が密接に関連して、ともに伸びてきました。これが頭打ちした今、マーケットを広げる方法はただ1つ、外の世界に出ていくことにほかなりません。
アジアは地理的にも、心理的にも近い存在です。中国は市場として魅力的になりました。しかし中国に存在するネット企業はすでに巨大で、その次にある韓国も日本とよく似たような問題をはらんでいます。GDPでアジア第3位のインドは文化的な距離感がありますし、1人当たりのGDPはまだまだ低い。こう考えた時にインドネシアという選択肢があるんです。
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