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「起業家は24時間働くべし」--三木谷氏とゼンストローム氏のグローバル戦略

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 ロンドンに本社を置くベンチャーキャピタルのAtomicoは9月25日、6月に開設された日本オフィスのオープニングイベントを開催した。Atomicoの共同創業者兼CEOであるニクラス・ゼンストローム氏はSkypeの共同創業者であり、2007年までCEOを務めた人物。2005年にはSkypeをeBayに売却し、その後同氏を含む投資家グループによる買い戻しを経て、2011年にマイクロソフトへ85億ドルで売却している。

 イベントの壇上では、ゼンストローム氏と楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が、自身の経験を元にグローバル展開への心構えや課題を語った。

グローバルな視点なしでは成長しなかったSkype

 冒頭に「日本語でいいんですよね?」と語って会場の笑いを誘った三木谷氏。英語を社内公用語とするなどのグローバル化施策を実施したタイミングについて、「いずれやってくる海外競合に対抗できるビジネスモデルを構築し、まずは日本市場で安定してからセカンドステップですぐに海外で勝負できるようにするという考えだった」と振り返る。

 一方、ゼンストローム氏が起業したスウェーデンはマーケットが狭く、「人口が900万人ほどしかいない。(最初から)ほかの市場を見ざるをえなかった」のだという。こういった背景から、最初からグローバルな視点がなければビジネスが成立しにくい状況だったとした。

  Skypeはフリーミアムモデルでのサービスを展開してユーザーを集めてきた。「世界中にソフトウェアをリリースして無料で配布した。これによって世界中からデータが集まり、最初から世界で誰が使っているかが分かった」(ゼンストローム氏)。集まってくるマーケティングデータを分析し、サービスの普及率が高い地域での事業を強化することで、成功体験を積んでいったのだという。

「言葉の壁」を超えよ

 現在、新入社員の30%が外国籍だという楽天。中途採用のエンジニアでは、その割合が7割を超えるという。「今まで想像しなかったことが起きている。日本でのノウハウを持っている人材が海外でそれを伝えている。すべて”英語”でなければ成立しなかった」(三木谷氏)と、英語公用語化の成果について説明する。

 また、日本のエンジニアしかいなければ他国通貨を想定したサービスの設計も難しく、海外のリソースを使った開発が難しいと説明。言葉の壁を超えたコミュニケーションの重要性を説いた。

 ゼンストローム氏もその点は同じで、「言語はチャレンジ」と話す。「起業家に限らず外国語を学ぶことは大切。言語は障壁になりうる。海外を旅して、現地の人とコミュニケーションすることが重要」と語った。また、サービスのローカライズという点では、「必要以上にするとソフトにいくつかのバージョンが存在してしまい、リリース後の変更が効きにくくなる。重要なポイントは言語であり、それ以外はグローバルを視野にいれて開発すべき」と語った。

 最後に、会場に集まった若い起業家にエールを求められた三木谷氏。「24時間働く。それですよね」と会場に語りかけた。加えて、「しっかりとしたビジネス機会と、根源的な価値創造がどこにあるかを考える。それに加えてプロダクトに愛情を持つ」(三木谷氏)とした。

 一方でゼンストローム氏は「若いというだけでもすごいチャンスで。成田(空港)に行って飛行機に乗ってほしい。世界が広がると思わないか?」とコメント。自分の身の回りにいる身近な人を巻き込み、愛せるプロダクトを追求すること、柔軟な姿勢をもって直感を信じるべきだとアドバイスした。

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