6月30日~7月8日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「Apple一気読み」。
米国時間の金曜日のニュースをフォローすべく、記事作成日を土曜日に変更しました。6月30日~7月8日は、iPad Miniの話題が駆け巡る一方で、Appleの戦略上重要な中国市場でのiPad商標に関する和解がありました。その他、App Storeのトラブルなどのニュースをまとめました。
さて、まずは小型iPadの噂から。
この1週間、相次いで7インチ級のディスプレイを持つ小型iPad、「iPad Mini」の情報が続々と登場した。iPad Miniの話が出てきたタイミングとして、Googleが同社のイベントで7インチサイズのタブレット「Nexus 7」を発表していることも影響としていると考えている。
Nexus 7は199ドルと、併売されているiPad 2よりも200ドル安い価格設定となっており、選びやすさが際立つ。特に教育機関での活用において、iPadのコストが電子教科書の普及への障害となっている点が指摘されており、価格の安いタブレットはこのニーズに応える形になりえる。
また記事ではディスプレイに関して、LGと開発を進めているという記事や、IGZOパネルを利用して端末の薄型化(もしくはバッテリー容量の確保)を計るという記述も見られる。そのためにRetinaディスプレイが採用されないのではないか、という見方もある。
ただ、価格をKindle FireやNexus 7に揃える199ドルにするとしたら、差別化を図るためにRetinaディスプレイが不可欠になるのではないか、とも考えられる。今週さらなる情報が出てくるのを期待したいところだ。
iPhoneが5周年を迎えたというニュースに加えて、次のiPhoneで採用されるであろう次世代チップについての話題が出てきている。記事では、競争力維持のため、チップのアーキテクチャがサムスン製の「Exynos 4」をカスタマイズしたもの、そして名称に「A6」を含むと予想している。
しかし2010年のiPad発売以降、新型チップは常にiPadで先に採用され、iPhoneに後から入るという順序で進んできた。A4チップは初代iPad・iPhone 4の順、A5チップはiPad 2・iPhone 4Sの順。すると、現在の最新型であるA5Xチップは新しいiPadに続いて新型iPhoneで、というのがこれまでの流れだった。
これまでの流れを崩してAppleが次のiPhoneに新世代チップを搭載するのかどうか。あるいは、まったく別の製品に先に採用するのかどうか。いずれにしても楽しみだが、向上した処理能力を何に使うのか、という点にも着目したいところだ。
私も含めて、App Storeでアプリケーションを配布している開発者やアプリメーカーにとっては、少し肝を冷やす1週間だった。App Storeを通じて配布するアプリケーションのうち、先週バージョンアップしたものが、起動直後にクラッシュしてしまうトラブルに見舞われた。InstapaperやAngry Birds Space HD Free、Good Readerなどの一部のユーザーは、一度削除した上で、修正されたアプリをダウンロードし直さなければならなくなった。
Good Readerの開発チームによると、Appleが変更したApp Storeのプログラムの不具合で破損したバイナリが配布されてしまうことがわかったという。Appleはこの問題を修正し、「ダウンロードされる一部のアプリケーション向けにDRMコードを生成するサーバにおいて、一時的な問題が1日前から発生していた」との発表を現地時間7月5日にしている。
筆者個人もアプリのユーザーであるが、アプリが起動直後にクラッシュして起動しないとなると、いくら気に入っているアプリだとしても印象はとたんに悪くなり、不具合を報告すると同時に、代替手段を探そうと努める。
今回の場合はApple側に問題があったため、Appleの修正後にすぐにダウンロードしたアプリでは不具合は起きなくなった。しかし通常、アプリに問題がある場合は、Appleに修正したアプリをすぐに開発してもAppleによるレビューに時間がかかることも分かっているため、修正されるまでの期間、代替手段を探さなければ、と考えるだろう。
App Storeが原因だったとしても、そうでなくても、ユーザーの行動は大きく変わらなかったはずで、たまたまApp Storeに不具合があった週に新しいアプリをローンチし、運の悪いくじを引いてしまったアプリもあったかもしれない。
こういう点も含めて、アプリのプラットホームは重要性を高めている。
アップル「App Store」初のマルウェア、Kaspersky Labが発見--「Google Play」にも同一アプリ(7月6日)中国国内での商標問題のため、AppleはiPadの販売を思うように伸ばすことができていなかったが、この問題が解決した。
Proviewは中国国内でiPadを小売り店の棚から排除し、同社が主張する商標権の侵害を止めさせるため、中国国内で多数の訴訟を起こしてきた。カリフォルニア州の判事は、Proviewの訴えを2012年5月に棄却しているが、同時にAppleは和解金の提示も行ったとみられていた。結果として、Appleは中国国内でiPadの商標を利用できるようにするために、6000万ドルを支払った。
6月に開催されたWWDC 2012で発表されたiOS 6と、新機能が披露されたMountain Lionでは中国語の入力方法を改良したり、GoogleやFacebook等が自由に使えないため、中国国内で使われているネットサービスに対応するなど、中国市場向けの手厚い対応が行われていた。このことからも、中国で自由にApple製品が販売できることを優先した結果とみることができる。
中国企業、「Snow Leopard」の商標権侵害でアップルを提訴(7月4日)しかし、この和解はAppleの中国市場での活動コストをより高くする可能性がある。中国企業が相次いでSnow Leopardの商標権侵害、Siriの特許侵害で提訴しており、この動きが拡がる可能性もある。そして商標権の侵害の主張で6000万ドルという値段がついてしまった点も気がかりだ。
前者は8万645ドルの損害賠償とAppleによる公式の謝罪を求めているが、後者は裁判で中国企業が勝訴した場合、6000万ドル以上の金額を支払う必要があるかもしれない。iPhone 4Sの「S」は「SiriのS」とも言われている目玉となる機能であり、次のiOSでは新型iPadでも利用できるようにしようとしていることから、その影響の範囲は大きくなりそうだ。
米連邦地裁、「Galaxy Nexus」にも販売差し止めの仮処分--アップルとの訴訟で(6月30日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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