アイティメディアは3月26日、キュレーションサービス「ONETOPI(ワントピ)」の最新版となるiPhoneアプリ「ONETOPI V2」を公開した。あわせて、キュレーターの新規募集を実施する。
ONETOPIは、さまざまなジャンルのトピックに対して、それぞれ専任の解説者として選ばれたキュレーターが、コメントつきで情報を紹介するサービス。現在190のトピックを用意。33万9000ユーザーが購読している。
投稿にはTwitterを利用しているため、ユーザーは各トピックのアカウントをフォローするだけで情報を得られるほか、PC向けサイトやiPhoneアプリ経由での閲覧も可能。投稿する情報は、アイティメディアが運営する媒体に限定するといったことはなく、キュレーターが最適だと思うウェブメディアやブログを自由に選択できる。
最新版のiPhoneアプリでは、記事のレイアウトを改善したほか、バックグラウンドでコンテンツをダウンロードすることにより、3G環境でも軽快な閲覧を実現した。さらに「トピックストア」と呼ぶ一覧ページでは、興味にあわせて複数のトピックをパッケージ化して紹介するほか、検索機能を用意。興味のあるトピックを見つけやすくした。Twitterアカウントを登録すれば、閲覧中の情報をTwitterにリツイートすることもできる。
アプリの公開にあわせてキュレーターを2012年中に1000人規模まで拡大する。専用のフォームから申し込んだ後、書類審査や面談を経てキュレーターとして活動できるようになるという。スマートフォンやPC、車などに関しては、機種や車種別のトピックとするほか、アーティストやタレント単位でのトピックも用意していく。トピックの粒度については、逐次統合したり細分化するなど見直す予定。
キュレーションサービスと言えば、NHN Japanの提供する「NAVERまとめ」が月間2億ページビューを達成し、広告収益をユーザーに還元するインセンティブプログラムを開始したばかり。ほかにもTogetterやPinterestをはじめとして国内外にキュレーションの要素を持つサービスは存在するが、アイティメディア 取締役 スマートメディア事業推進部長の斎藤健二氏はONETOPIについて「ストックよりリアルタイム、属人性よりテーマ性を重視している」とその違いを説明する。
ONETOPIでは、キュレーターへのインセンティブについて、キュレーターの担当するトピックに関心のあるユーザーに対して情報が届き、リアクションがもらえるという点だと説明している。NAVERまとめにあるような金銭的なインセンティブについては、こういったキュレーターのモチベーションを損なう可能性があることから「慎重に考えていきたい」(斎藤氏)とした。
2009年からキュレーションという言葉を掲げてサービスを手がけてきたアイティメディア。数多くのメディアを運営する同社が、そもそもキュレーションに取り組んだ理由な何なのか。
斎藤氏は、検索エンジン経由のユーザーの流入より、ソーシャルメディア経由でのユーザーの流入が増えている米国メディアの状況を紹介した上で、「『どうやってメディアに連れてくるか』は課題。アイティメディアも検索やポータル経由での流入がメイン。しかし情報の流通チャネルを持たないといけない。そこそこの規模のある我々でも、Googleが何かしたらトラフィックがなくなることにもなりかねない。情報を作るだけでなく、流し込みが重要」と説明する。
ONETOPIでは、スポンサードトピックのような広告商品も用意している。今後は既存メディアへの送客だけでなく広告での売り上げも立てることで、数年かけて1億円規模の売り上げを目指すという。
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