B&O PLAYのアイデアは、1つには、別のiPhoneおよびiPad向けの印象的なスピーカー「BeoSound 8」のめざましい売り上げを目にしたことから始まっている。BeoSound 8の2つの円錐形のスピーカーは、Appleのデジタル音楽プレーヤーから非常に深く豊かな音を生み出す。999ドルのBeoSound 8は2010年12月に発売され、市場に出て最初の12カ月で6万台以上が売れた。Mantoni氏によると、これは同社の売り上げの約6%にあたるという。
この急激な売り上げの伸びはMantoni氏を驚かせた。そこから同氏は、Bang & Olufsenが、よく知られているハイエンドのブランド感を守りながら、新しい市場に進出できないかと思うようになった。
「われわれが本当に得意とすることを、別の使用パターンに当てはめる方法はないだろうか」(Mantoni氏)
そのスピーカーはどう見ても安いものではない。また、近々登場する新しいテレビセットは、やはりBang & Olufsen特有の工業デザインで飾られているとMantoni氏は言う。プラグアンドプレイの製品を提供することと、電子機器の骨とう品を作ることの間の微妙な境界線上に立つことが、B&O PLAYが成功するか、それともBang & Olufsenのブランド力が低下するかの鍵を握る。
Mantoni氏は、「B&O PLAYは、デザイン面でも、職人の技能の面でも決して妥協してはならない」と語る。
B&O PLAYでは、ポータブルサウンドシステム、ヘッドホン、スピーカー、テレビの4つのカテゴリの製品を重点的に作り出す予定だ。B&O PLAYの製品には、超えてはならない具体的な上限価格はないが、技術者による設置が必要な同社の高級テレビやサウンドシステムよりも、大幅に低い価格になる可能性が高い。
Bang & OlufsenにとってB&O PLAYの成功は極めて重要だ。同社は1月、第2四半期の利益として700万ドルを計上したが、金融アナリストが予測した830万ドルを大きく下回った。Mantoni氏は、ブラジルやロシア、インド、中国といった成長市場だけでなく、米国においても順調な成長を見込んでいると述べたが、まだすべき仕事が多いことを認めている。
「まだ困難を脱したわけではない。われわれがいる市場では、独自のニッチを切り開いていく必要がある」(Mantoni氏)
ウルトラマラソンを走るこのCEOは、B&O PLAYによってBang & Olufsenが進む歩幅を見つけ出すことに賭けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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